2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンス転写によるXist遺伝子エピジェネティックス制御メカニズムの研究
Project/Area Number |
16045205
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柴田 進和 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (40372487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 寛 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70260536)
横田 崇 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50134622)
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Keywords | X染色体不活性化 / エピジェネティックス / Xist / Tsix / ヒストンメチル化 / アンチセンス遺伝子 / ES細胞 / 幹細胞 |
Research Abstract |
1.Tsix遺伝子ジーントラップES細胞を用いたXist遺伝子領域のクロマチン修飾解析: 平成16年度には未分化状態特異的なアンチセンス遺伝子の転写がヒストン蛋白質の修飾変化を引き起こしセンス・パートナー遺伝子の制御を行っている可能性について検討し、Tsix遺伝子トラップ細胞Xist遺伝子領域のhistone H3 lysine 27残基(H3K27)のトリメチル化が顕著に増加していることを示した。平成17年度には分化誘導時のH3K27トリメチル修飾変化を検討し、Xist遺伝子座の同修飾は分化が進むとともに減少するとの結果が得られた。さらにオスTsixトラップES細胞でもメスES細胞の場合と同様にH3K27トリメチル化亢進を確認した。トリメチルH3K27とXist RNAのImmuno-FISH解析から、Tsixトラップ細胞でのH3K27トリメチル化修飾は、不活化X染色体でのXist RNA依存性H3K27メチル化とは異なる作用機序によって起きることが示唆された。以上の結果から未分化細胞特異的にH3K27のトリメチル化修飾を引き起こす活性が存在し、この活性はアンチセンス遺伝子転写によって抑制を受けることが明らかになった。細胞内で多数認められるアンチセンス遺伝子の役割や作用機序については今まで解析が進んでいなかったが、我々の結果はアンチセンス遺伝子がクロマチン構造制御により他の遺伝子発現を制御している可能性を示唆している(投稿準備中)。 2.ntES細胞でのX染色体不活性化の検討: ntES細胞のゲノム初期化について検討するために、胚様体から作成したntES細胞株と親株のES細胞との間でX染色体不活性化のについて調べた。未分化状態ではXist遺伝子座クロマチン修飾の顕著な違いは認められず、分化初期X染色体でのXist RNA、トリメチルH3K27分布についても大きな差は見られなかった。
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