2004 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞-セルトリ細胞共培養系を用いた精原細胞増殖因子と分化因子の単離・同定
Project/Area Number |
16045214
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
酒井 則良 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (50202081)
|
Keywords | ゼブラフィッシュ / 細胞培養 / 精原細胞 / セルトリ細胞 / cDNAサブトラクション / 精子形成 |
Research Abstract |
脊椎動物の雄生殖細胞はセルトリ細胞との直接的な相互作用により発達すると考えられているが、脊椎動物では適当な実験系が欠如しているために、精子形成に果たすセルトリ細胞の役割についての知見は十分ではない。本研究ではゼブラフィッシュのセルトリ細胞株と雄生殖細胞の共培養系を用いて、脊椎動物に共通する精原細胞の増殖と分化に機能する新規の因子を見つけることを目的とする。 すでに、共培養系により精原細胞を増殖させるセルトリ細胞株(ZtA6-2)と精子まで分化させる株(ZtA6-12)の、2種の機能が異なる細胞株が単離できているため、これらの株間でcDNAサブトラクション実験を行なった。その結果、ZtA6-2株に特異的な205クローンとZtA6-12株に特異的な256クローンを得た。それぞれの細胞株のRNAとハイブリダイゼーションして特異性を確認した後、精巣組織切片のin situハイブリダイゼーションを行ない、精巣内セルトリ細胞における特異的発現を調べた。現在までで、51クローン中5クローンで特異的な発現が認められ、さらに残りのクローンの解析を進めている段階である。得られたクローンはそれを発現していない細胞株へトランスフェクションして、その機能を解析する予定である。 並行して、新たな機能を持つセルトリ細胞株のスクリーニングを行なった結果、魚類では精原幹細胞と考えられているA型精原細胞を増殖させる株(ZtA6-6)を単離することができた。現在、長期間にわたりA型精原細胞を継代できるかを調べている。さらに、マイクロアレイにより3つのセルトリ細胞株で遺伝子発現をプロファイリングし、特異的に発現している分泌型あるいは膜結合型因子、細胞内情報伝達因子を解析している段階である。
|