2004 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞を用いた核移殖クローンマウスの作成と再プログラム化の解析
Project/Area Number |
16045219
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三好 浩之 独立行政法人理化学研究所, 生体情報統合技術開発チーム, サブチームリーダー (70219830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴美子 独立行政法人理化学研究所, 遺伝子工学基盤技術室, 研究員 (70360500)
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Keywords | 核移植 / クローン / 再プログラム化 / 幹細胞 |
Research Abstract |
体細胞核移植クローン技術は、医療や畜産など多岐にわたる分野での応用が期待されている。しかしながら、体細胞クローン動物の産出率が極めて低いことやクローン動物に生じる様々な異常が大きな問題となっている。これらの問題を解決するためには、再プログラム化のメカニズムを明らかにし、正確でかつ効率のよい再プログラム化を行うための技術開発が必要である。本研究では、マウスの組織幹細胞を核ドナーとしたクローン胚あるいは個体を作出し、他の体細胞との発生効率の比較を行うことにより、組織幹細胞のクローン核ドナーとしての利用性と再プログラム化能力の評価を行い、再プログラム化のメカニズム解明の手がかりとなる研究を目指している。今年度は、成体マウスの骨髄より単離した造血幹細胞を核ドナーとしたクローン胚を作出し、卵丘細胞の場合と比較検討した。造血幹細胞は2 cellへの発生率は卵丘細胞と同程度に高かったが、これは造血幹細胞の細胞周期がGOであるためであると考えられた。しかし、4 cellおよび胚盤胞への発生率は非常に低かった。活性化12時間後のBrUTPの取り込み量により転写活性を比較したところ、両者に差は見られなかった。また、血球細胞に特異的に発現しているCD45は造血幹細胞クローン胚では発現していないことを免疫抗体染色法により確認した。、胚盤胞期クローン胚の細胞数も両者間に差は見られなかった。これらのことから、4 cell以降への発生率は低いものの、再プログラム化は正常に行われていると推測された。しかし、偽妊娠ICR雌への胚移植によって胎仔への発生効率を検討した結果、造血幹細胞クローン産仔の産出率は非常に低かった。造血幹細胞は多分化能を持つ未分化な細胞であることから、終末分化した体細胞よりも再プログラム化され易いのではないかと予想されたが、その再プログラム化能力は予想に反して低いことが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)