2004 Fiscal Year Annual Research Report
体脂肪量の蓄積低下トランスジェニックマウスを用いた新しい肥満治療戦略
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16046216
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
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Keywords | マイオスタチン / フォリスタチン / FLRG / アクチビン / 皮下脂肪 / 内臓脂肪 / ALK7 / インスリン分泌 |
Research Abstract |
体脂肪の量と骨格筋の量の調節機構を理解する事は肥満・糖尿病の病態を理解し治療戦略を考える際に重要である。マイオスタチンの遺伝子破壊マウスでは劇的に骨格筋量が増大し、逆に体脂肪量は減少する。従って、マイオスタチンは生体内で、骨格筋と共に脂肪細胞の増殖・分化を制御している。我々は、マイオスタチンがTGF-βファミリーに属し、アクチビンに構造上類似している事に着目し、マイオスタチンの阻害分子を探索した。アクチビンの阻害分子として解析されてきたフォリスタチンとFLRG(follistatin-related gene)が、マイオスタチンの強力な阻害タンパク質である事を突き止めた(Current Drug Targets(2004))。そこで、フォリスタチンの構造変異体を数多く作製し、アクチビンに作用を示さないマイオスタチン阻害分子を複数開発した。その分子の一つをミオシン軽鎖プロモーターの下流に連結し、トランスジェニックマウスを作製した。Tgマウスは、野生型に比較して骨格筋量の増大が見られた。脂肪組織の解析を行なったところ、皮下脂肪、内臓脂肪(精巣周囲、腎周囲など)の脂肪量は著しく低下していた。脂肪細胞の大きさ自体も小さくなっている事が確認された。このTgマウスは、脂肪細胞と筋細胞の生体内での分化を考える際に有用なモデルとなるであろう。 白色脂肪組織、褐色脂肪組織、膵臓で高発現するactivin receptor-like kinase 7(ALK7)のリガンドとして、アクチビンAB, Bが働く事を示した。アクチビンAB, B刺激のALK7活性化によりMIN6細胞からのインスリン分泌が促進される事を示した(Mol.Cel.Endo.(2004))。
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Research Products
(8 results)