2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経グリア間におけるニューロトロフィン遺伝子発現応答ネットワークの解析
Project/Area Number |
16047209
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
津田 正明 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (80132736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 明子 富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (40303234)
安田 誠 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (00361965)
川原 正博 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (40224828)
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Keywords | BDNF / PACAP / GFRα1 / カルシウム / cAMP / グリア / GDNF / ERK |
Research Abstract |
本年度は、神経細胞側の応答を脳由来神経栄養因子(BDNF)とPACAP (pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide)遺伝子、および、GDNF (glia-derived neurotrophic factor)のレセプターであるGFRα1遺伝子の発現に注目して解析を行った。 (1)BDNF遺伝子の二次的誘導機構の解析;ラット大脳皮質初代神経細胞培養系において、BDNf投与で活性型シナプス形成が促進される。この培養系で、BDNF投与で投与後3時間でBDMFexonIII発現の一次的誘導が認められるが、その24時間後に再びBDNFの発現誘導が認められた。この誘導は、TrkBレセプターと細胞内へのカルシウム(Ca^<2+>)流入に依存しており、ERK1/2の細胞内伝達系には依存していなかった。この自動制御系は、神経ネットワークの維持機構に有効と考えられ、記憶の固定化にかかわっていることが予想された。 (2)PACAP遺伝子のCa^<2+>とcAMPシグナルによる活性化機構;PACAP遺伝子プロモーター活性は、Ca^<2+>とcAMPシグナルで相乗的に活性化された。これには、グルタミン酸とドーパミン入力による、Ca^<2+>とcAMPシグナルの活性化が想定された。この両入力は、報酬学習や薬物依存に関わっている。また、Ca^<2+>シグナルによってPACAPmRNAの安定化が認められた。現在、この解析を進めている。 (3)GFRα1レセプターmRNAのBDNFによる誘導;BDNF遺伝子の二次的誘導の起こる解析系でBDNFを投与した所、GFRα1 mRNAの顕著な誘導が認められた。GDNF投与では認められなかった。この誘導は、ERK/MAPキナーゼ系を介して活性化されていた。また、その誘導性には持続性が認められた。これは、BDNFがGDNFに対する応答性を制御していることを示している。
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Research Products
(6 results)