2004 Fiscal Year Annual Research Report
アストロサイトにおける代謝型GABA_B受容体の発現とGABA輸送体との機能的連関
Project/Area Number |
16047229
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤田 卓也 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (00247785)
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Keywords | 代謝型GABA_B受容体 / GABAトランスポーター / ラット大脳皮質アストロサイト / 初代培養 / RT-PCR |
Research Abstract |
本年度は、ラット大脳皮質アストロサイト初代培養細胞を用いて、GABAの輸送活性およびGABA_B受容体の発現と機能解析を中心に検討を進めた。GABAのラットアストロサイト内への輸送は、Na^+依存的かつCl^-依存的であり、その化学量論比はGABA:Na^+:Cl^-=1:2:1であった。また、その輸送のkinetic parameterは、K_t=9.3±2.8μM、V_<max>=1.74±0.17nmol/mg-p/15minであった。RT-PCRの結果より、ラットアストロサイトにはGAT1、GAT2、GAT3の3種のGABA transporterの発現が確認されたが、おのおののtransporterに対する選択的な阻害剤を用いた検討より、ラット大脳皮質アストロサイト初代培養細胞には、GAT2もしくはGAT3がpredominantに機能発現していることが明らかとなった。さらにこの初代培養細胞より調製した細胞膜画分を用いて、GABA_B受容体の機能解析を行った。1μM forskolinで上昇したcAMPの生成は、GABA_B受容体のagonistであるbaclofenにより濃度依存的に抑制された。この抑制は、GABA_B受容体の選択的なantagonistであるCGP-54626およびCGP-55845により濃度依存的にreverseされた。さらに、RT-PCRおよびWestern blotting、蛍光免疫染色によってもラット大脳皮質アストロサイトにGABA_B受容体が発現していることが確認できたことから、これまでほとんど報告がなされていなかったアストロサイトでのGABA_B受容体の機能発現を本研究により、初めて明らかに出来た。一方、我々の研究とは独立して、ごく最近glia系細胞にGABA_B受容体が機能発現しているとの報告がなされている。したがって、来年度は、その発現調節機構も含めた詳細な機能解析を進めていく予定である。
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