2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト赤血球膜タンパク質Band3膜貫通ドメインの電子線結晶構造解析
Project/Area Number |
16048224
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 知宏 九州大学, 大学病院, 助手 (80346791)
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Keywords | 二次元結晶化 / 再構成 / DTAC |
Research Abstract |
本研究は外向き型/内向き型Band3膜貫通ドメイン(MD)の構造を二次元結晶化及び電子線結晶学に基づいて解き、これらを比較することによってアニオン透過機構の全容解明を目的とした。H_2-DIDS結合型/外向き型Band3MDの二次元結晶化を透析法によって行った結果、界面活性剤に0.1%C_<12>E_8を、リン脂質にDOPC:PS(100:1、LPR=0.24-0.28)を用い、透析外液(10mM Tris,pH7.0,100mM NaCl,1mM MgCl_2,1% PEG200,0.02% NaN_3)に対して25℃で透析を行うことにより、再現性のよい二次元結晶形成が可能になった。この結晶はリン脂質ベシクルの直線的な縁に沿って存在し、その幅は狭い(100nm)ものであった。さらにバクテリオドプシンの結晶融合法を応用し、結晶試料にカチオン性界面活性剤DTACを添加することによって、Band3MDでも二次元結晶の融合に成功した。また、この結晶融合試料にL-リジンを添加することによって結晶成長が観察された。当初目標であった構造解析に耐える結晶形成までに至らず、電子線結晶構造解析ができなかった。またH_2-DIDS結合型Band3MDの結晶化に手間取り、DEPC結合型/内向き型の結晶化に着手できなかった。しかしBand3MDのリン脂質膜への再構成功率を維持しつつ小結晶を効率よく形成させた後、DTACによる結晶融合とその後の結晶成長が可能になったことから、一般的な結晶化の手法である透析法だけでは難しかったBand3DMの二次元結晶化条件検討のスピードアップが期待できる。
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