2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16057201
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
舘田 英典 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (70216985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 睦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90136896)
隅山 健太 国立遺伝学研究所, 助手 (00370114)
黒岩 麻里 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 講師 (20372261)
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Keywords | 種文化 / 適応進化 / 集団遺伝学 / 集団間分化 / 遺伝的変異 / シクリッド |
Research Abstract |
この研究では種多様化が急速に進んだと考えられる生物種群、特に東アフリカ・ビクトリア湖のシクリッド等を中心に、現存集団の遺伝的変異を解析することによって、集団のサイズや地理的構造などの集団遺伝学的要因が、どのように種分化に寄与したかを明らかにすることを目的とする。ビクトリア湖のシクリッドについては沿岸性の3属5種((Porolobidochromis) "rockkribensis", Lithochromis rubripinnis, L.rufus, Neochromis greenwoodi, N.rufocaudalis.)でミトコンドリア種内多型を調査し、前年度の沖合性二種(Yssichromis pyrrhocephalus, Y.laparogramma)と比較した。その結果、種間の遺伝的分化は見られるものの、沿岸性・沖合性の問あるいは属間の違いは見られず、種分化がこの湖では初期的な状態に有ることが示唆された。種内の集団構造についても調べたところ、沿岸性種のなかにも強く分化している種とそうでない種が有ること、殆どの種が最近集団の拡大を経ている可能性が有ることが明らかになった。また染色体については東工大岡田グループと共同で単離したBACクローン24個をプローブとして、Paralabidochromis chilotesの染色体にFISHマッピングを行った結果、17個のクローンが染色体マーカーとして使用できることを明らかにした。一方魚類の種形成の根幹の一つである交配相手の識別に重要な嗅覚について、匂い受容体遺伝子分析によって追究し、種間に大きな変異の存在することを明らかにした。更に、発生調節遺伝子転写制御領域の進化学的解析法の開発応用を行った。
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Research Products
(5 results)