2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16072204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 昌治 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (70156230)
牟 新東 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20422363)
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Keywords | 触媒 / 表面 / 分子構造 / ダイナミクス / 触媒作用 / SPM / XAFS |
Research Abstract |
本研究は表面反応、特に触媒的に進行する表面反応過程における原子・分子の挙動と表面構造変化を時間軸と空間軸で考察することを目的としている。本年度は以下の2つの研究を行った。 (1)マイクロ秒時間分解エネルギー分散型X線吸収微細構造(DXAFS)測定システムの開発 高エネルギー加速器研究機構のシンクロトロン放射光PF-ARリングに作成され、昨年度までに2ミリ秒の時間分解能を持っていたDXAFS測定システムによってゼオライト担持Re6クラスターの酸化還元過程における構造ダイナミクスを測定した。このゼオライト担持Re6クラスター触媒はベンゼンからフェノールへの直接酸化反応に高い活性を持つ。今回その反応おけるクラスターの構造変化をミリ秒オーダーで追跡することに成功した。 また、このシステムの時間分解能を更に向上させるためにXSTRIP検出器を新たに導入した。放射光パルスと同期して使用することによりマイクロ秒の時間分解能でのDXAFS測定が可能となった。 (2)走査トンネル顕微鏡(STM)を用いた表面反応の実空間観察と触媒表面反応機構の解明 昨年度までに我々のSTM観察によって見いだされていた単結晶二酸化チタン表画上可視光応答ギ酸分解反応の機構をSTM、分光学的手法、及び理論計算を用いて考察した。この可視光応答反応は4配位チタンが規則的に並んだ二酸化チタン(001)階段状格子構造表面において進行するが、可視光による電子励起は表面の4配位チタンに局在する電子状態によって可能になることがわかった。 また、酸化セリウム(111)表面上担持Pt粒子の形成過程を追った。金属蒸着法によって酸化セリウム(111)表面上に担持されたPtは加熱により大きさのそろった粒子群となることがわかった。すなわち、任意の大きさのPt粒子を酸化セリウム(111)表面上に形成できるようになった。
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Research Products
(17 results)