2004 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞内の光合成膜環境順応ダイナミクスを解明する3次元超解像時間分解顕微分光
Project/Area Number |
16072209
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
熊崎 茂一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40293401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 雅祥 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10346075)
大岡 宏造 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30201966)
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Keywords | 光合成 / 顕微分光 / 共焦点顕微鏡 / ラン色細菌 / 緑藻 / 2光子励起 / フェムト秒白色光 / 3次元解像 |
Research Abstract |
本年度は京都大学、大阪大学の双方で、ラン色細菌と緑藻の培養を開始し、顕微分光に用いるための培養条件、観察条件を検討した。ともに順調な生育を確認したが、ラン色細菌を窒素欠乏条件で育成することができなかったが、現時点では、その原因は、窒素充足条件で境内培養を長期にわたっておこなっていた試料であったためと考えている。来年度には、窒素不足条件培養株を入手して再開する。また生育環境の光環境を変化させることも順次行っていく。 京都大学において、レーザー励起型共焦蛍光顕微鏡をラン色細菌と緑藻について行い、3次元蛍光像が得られることを確認した。これまではアルゴンイオンレーザー励起だけであったものを、チタンサファイアレーザーによる2光子励起に切り替えた。2光子励起により、焦点以外における励起をなくし、資料への余計な損傷を劇的に減らすことが期待される。 緑藻の葉緑体内部を3次元解像した結果、チラコイド膜内部構造と思われる微細構造を観察することができた。今後、解像力の向上やスペクトル情報、時間分解分光の情報などを得て、各微細構造ごとの直接空間分解ではわからない情報へ得ていく予定である。シアノバクテリアにおける細胞内部構造については今後の課題として残された。 吸収型顕微分光に用いるための白色光光源として、フェムト秒白色光の発生をフォトニッククリスタルファイバーで行った。500nmより長い波長の可視全領域、および近赤外にわたる白色光を得た。集光性の高さを利用して高い空間分解能で吸収スペクトル変化を探査可能にすることができる。
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Research Products
(6 results)