2004 Fiscal Year Annual Research Report
固界液面における光反応ダイナミクスの時間分解ニアフィールド分光
Project/Area Number |
16072217
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
玉井 尚登 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60163664)
|
Keywords | 固液界面 / フェムト秒顕微過渡吸収分光 / CdTe / ナノ微粒子 / ホット電子 / 走査プローブ顕微鏡 / フェムト秒 |
Research Abstract |
本年度は,微小領域における微弱な過渡吸収ダイナミクスを解析するために,ブロードバンドのフェムト秒顕微過渡吸収分光システムを構築すると共に,その応用を図った。固液界面の系として粒径の異なつたCdTeナノ微粒子をチオールの存在する水溶媒中で合成し,その励起状態ダイナミクスの解析を溶液中と固体薄膜中で解析した。その結果,直径2.8nmか64.9nmのCdTeナノ微粒子が合成されていることがTEM等の測定により明らかになった。さらに,CdTeナノ微粒子のサイズが大きくなると発光寿命が長くなった。平均寿命はサイズ依存して約2ns〜20nsであった。またフェムト秒過渡吸収測定では,吸収スペクトルにほぼ対応するブリーチングが観測されると共に,サイズに依存して100fs〜350fsの緩和過程が観測された。これは,励起直後のホット電子の余剰工ネルギーがサイズに依存する事によるものと考えられる。 さらにポリビニルアルコール(PVA)で保護した薄膜中では,走査プローブ顕微鏡による解析か60.5μm〜2μmの大きな会合体形成が見られた。PVAが無い場合は高々数10nmまでの会合であり顕著な差である。しかし,スペクトルは単分散と変わらず発光寿命は固液界面よりも長くなっており,PVAによるpassivation効果が観測された。 また,CdTeナノ微粒子を微小領域でレーザー捕捉する事を試みたところ,2光子吸収による発光やSHG発生などの種々の非線形光学効果が観測され,その非線形光学定数を解析した。また,レーザー捕捉の様子を発光ダイナミクスと走査プローブ顕微鏡により解析したところ,3.3nm程度の微小なCdTeナノ微粒子に於いてもレーザー捕捉可能なことが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)