2005 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸毒性の発現・抑制機講解明を指向したカイトセファリンの合成と応用研究
Project/Area Number |
16073206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 秀典 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00202416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新家 一男 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (20251481)
石神 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (70292787)
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Keywords | 神経細胞保護 / グルタミン酸レセプター / 神経細胞毒性 / カイトセファリン / アンダゴニスト / 立体選択的合成 |
Research Abstract |
カイトセファリンはグルタミン酸レセプターに対するアンタゴニストとして働き、脳溢血などの脳虚血状態の後に大量のグルタミン酸放出によって惹起される神経細胞死を抑える治療薬として期待されている化合物である。この分子はプロリンの左右にそれぞれアラニンとセリンが炭素-炭素結合したユニークな構造をしているが、研究代表者らによるこれまでの合成研究によってその立体化学が明らかにされた。しかし現在ではカイトセファリンは、その生産菌からは殆ど得られなくなり、また、これまでの合成法では大量供給が困難であった。本年度は昨年度に引き続き、カイトセファリンの大量合成可能なルート開拓を検討した。今回の合成ではその際合成できないような類縁体も合成できる合成戦略をとることとし、中央のプロリン部分にまず左側のアラニンユニットを導入した後に、活性に重要であると考えられる右側のセリン部分に様々なバリエーションを持たせることが出来るようにした。 種々検討の結果、アミノ基とカルボキシル基を保護したアリルグリシンをメタセシス反応で二量化した後ワッカー酸化ならびに分子内還元的アミノ化を行うことで非常に効率よく中央-右側部分に相当する炭素骨格を立体選択的に構築することに成功した。さらにこのものにまず一炭素を導入し、カイトセファリンそのものに加えて右側部分に関する様々な類縁体を合成する足がかりを持たせることに成功した。現在、まずカイトセファリン自体を立体選択的に合成するための二炭素導入法を検討中である。
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