2005 Fiscal Year Annual Research Report
海洋無脊椎動物からのガン関連酵素を標的とする機能分子の探索
Project/Area Number |
16073207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60183951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 洋一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (60282696)
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Keywords | 海産無脊椎動物 / 細胞毒性 / 酵素阻害 |
Research Abstract |
1.海産無脊椎動物の採取およびスクリーニング 2005年6月に九州南部の海域において採集を行い、得られた試料に関して、細胞毒性および酵素阻害スクリーニングを行った。 2.活性物質の単離・構造決定 (1)式根島産カイメンAxinella infundibula由来のテロメラーゼ阻害物質 A.infundibulaの抽出物の脂溶性画分を順相および逆相クロマトグラフィーで精製し、テロメラーゼ阻害活性(IC_<50>値、2.0μg/mL)を示す化合物(axinelloside A)を単離した。この物質は11個の単糖と1つのシクリトールからなる糖鎖に4つの脂肪酸と19個の硫酸がエステル結合した、新奇な糖脂質であった。 (2)大島新曽根産未同定カイメン由来の細胞毒性ポリケチド 当該カイメンの抽出物の脂溶性画分をゲル濾過および逆相クロマトグラフィーで精製し、2種類の新規細胞毒性物質(化合物1および2)を単離した。これらは、NCIグループがカイメンから単離し平面構造を報告しているchondropsinの類縁体であった。化合物1および2は、いずれもP388およびHeLa細胞に対して8-20ng/mLのIC_<50>値を示した。 (3)八丈島産カイメンErylus placenta由来のステロイド配糖体sokodoside類 E.placentaから得た、出芽酵母に対する増殖阻害活性および弱い細胞毒性を示す新規ステロイド配糖体のsokodoside AおよびBを得た。
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Research Products
(3 results)