2004 Fiscal Year Annual Research Report
メタラサイクルを用いるワンポット多成分連結法の開発
Project/Area Number |
16073208
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
占部 弘和 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10176745)
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Keywords | アザチタナシクロペンタジエン / 光学活性オキサゾリン / チタンアルコキシド / ニューロキニンアンタゴニスト / ピロール / マグネシウム / メタラサイクル / ワンポット反応 |
Research Abstract |
アセチレン、2価チタンアルコキシド試薬(Ti(O-i-Pr)4/2 i-PrMgCl)、およびα-オキシニトリルから発生したアザチタナシクロペンタジエンに、N-アルコキシカルボニルイミンを作用させると、前者の炭素-チタン結合の後者のイミン部位への付加が進行し、加水分解によりピロール類がワンポットで収率良く合成できた。この反応により、非対称アセチレンから出発して、適当なα-オキシニトリルとN-アルコキシカルボニルイミンをカップリングさせることにより、4つの異なる置換基を有するピロールを、ただ1種類の異性体として高選択的に合成できた。 不飽和な光学活性オキサゾリンに、上述の2価チタンアルコキシド試薬とアセチレンを順次ワンポットで作用することにより、直鎖状付加体をジアステレオ選択的に得る方法をすでに報告した。この反応の応用利用として、バリノールと3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-プロペン酸から誘導される光学活性オキサゾリンに、シリルアセチレンを不斉カップリングさせて得た付加体から、数ステップを経て鎮静剤などの薬剤として用いられるニューロキニンアンタゴニストの重要中間体を合成できた。 上記の研究では、チタナサイクルを利用する多成分カップリング反応を開発したが、さらにメタラサイクルを利用する多成分カップリング反応の広汎な可能性を目指して、リチウムエノラートへのアリルグリニャール試薬の付加により、新しいマグネシウムを含むメタラサイクル反応剤が発生できることを見い出した。このメタラサイクル反応剤のジアニオン性を利用して、アルデヒドやケトエステルの組織的多成分カップリング反応をワンポットで実現し、ヘテロ環の効率的合成法を確立した。
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