2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜蛋白質と相互作用する生体機能分子の合成と機能解析
Project/Area Number |
16073211
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大石 徹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90241520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 道雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183652)
松森 信明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50314357)
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Keywords | 合成化学 / 分子プローブ / 同位体標識 / 化学合成 / 固体NMR / 天然物 / 生物活性 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
本研究の目的は,標識化天然有機化合物の実践的合成法を開発するとともに,合成した分子プローブと膜タンパク質複合体の構造を固体NMR測定により解明し,分子レベルでの作用機構を明らかにすることである。具体的には,プロトンの能動輸送に関与する生理学的に重要な働きをもつ膜タンパク質である液胞型ATPアーゼ(V-ATPase)を対象とし,V-ATPaseの特異的阻害剤であるサリシリハラミドA,バフィロマイシン,あるいはマイクロモノスポリドなどのマクロライド抗生物質の炭素-13,窒素-15などの天然同位体標識体やフッ素-19で標識した分子プローブを化学合成し,さらに位置特異的にアミノ酸を標識したATPaseサブユニットを化学的に調製して両者の結合を固体NMRによって精査する。本年度は、まず標識体の化学合成を検討した。構造が最も簡単なサリシリハラミドAをまず合成ターゲットとして選び,4位をフッ素-19で標識した分子プローブの合成を検討した。サリシリハラミドAは,サリチル酸部分,マクロライド環,およびエナミド側鎖部分に分け,それぞれのフラグメントを合成した後に連結した。サリチル酸部分はStilleカップリング反応を,マクロライド環は光延エステル化反応と閉環メタセシス反応をそれぞれ鍵段階として合成した。銅触媒を用いたエナミド側鎖の導入を試みたが低収率であったため今後の検討課題である。また,フッ素標識化サリチル酸部分の合成を現在検討中である。
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