2004 Fiscal Year Annual Research Report
α-ケトエステルを基質とする効率的置換クエン酸不斉構築法の開発
Project/Area Number |
16073213
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑山 範 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20143000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 淳 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80250413)
高橋 圭介 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60380854)
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Keywords | 置換クエン酸 / Bavlis-Hillman反応 / アルドール反応 / α-ケトエステル / 不斉反応 / トラキスプ酸 / ビリジオフンジン |
Research Abstract |
畑山と石原は、本研究の基礎となる置換クエン酸不斉構築法の確立を目的に、α-ケトエステルを基質とする触媒的不斉Baylis-Hillman反応と不斉アルドール反応について検討した。また、高橋は、置換クエン酸天然物としてトラキスプ酸とビリジオフンジンを標的化合物としてとりあげ、それらの全合成研究を行った。その結果、不斉Baylis-Hillman反応に関しては、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ベンゾイルギ酸エチルにβ-ICD-HFIPA法を適用したところ、付加体が中程度の収率、中程度のエナンチオ選択性で生成することを見出した。本研究に実際に必要となるγ-アルコキシ-α-ケトブタン酸エステルの不斉Baylis-Hillman反応では、エナンチオ選択性は70%ee程度であるが、望む付加体が収率良く得られた。一方、EvansのBOX銅触媒を用いる不斉向山アルドール反応に関しては、単純なシリルケテンアセタールではアルドール生成物が高エナンチオ選択的に生成するが、置換シリルケテンアセタールとの反応ではアルドール生成物は全く得られなかった。今後、触媒、反応系について詳細に検討する必要がある。さらに、置換クエン酸天然物の合成に関しては以下の結果を得た。まず、Ni(II)/Cr(II)を用いる野崎-檜山-岸反応に基づくトラキスプ酸の最初の全合成を達成し、この天然物の絶対配置を(3S,4S,6S)と決定した。また、オレフィンクロスメタセシス反応に基づくビリジオフンジンAの最初の不斉全合成に成功した。
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Research Products
(2 results)