2004 Fiscal Year Annual Research Report
配座及び官能基制御に基づく高活性神経リガンドの開発
Project/Area Number |
16073214
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大船 泰史 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20142078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
品田 哲郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30271513)
坂口 和彦 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80264795)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / カイトセファリン / AMPA / KA受容体 / α-アミノスクアリン酸 / トランスポーター遮断分子 / エノラートクライゼン転位 / β-置換アスパラギン酸 / アマサスピラミドF |
Research Abstract |
グルタミン酸受容体に選択的なリガンドの開発は、脳・神経の高次機能の解明のみならず、虚血性脳疾患時のグルタミン酸による神経細胞死を防ぐ薬剤の創製を押し進めるための有力なツールとして期待されている。本研究では、受容体結合に関わるグルタミン酸のカルボキシル基に着目し、カルボキシル基の回転配座固定、その立体的かさ高さ、さらに水素供与性の制御を取り入れた次世代型リガンドとして次の(a)〜(c)に対応する合成研究を行ったので報告する。 (a)天然神経毒カイトセファリンをリードとしたγ位置換型グルタミン酸類縁体の合成 AMPA/KA受容体アンタゴニスト、カイトセファリンの全合成に成功するとともに、構造活性相関を明らかにする目的で、7位及び7,9位に関する3種の異性体が合成できた。これら異性体及び合成中間体の活性評価は共同研究先ですすんでいる。 (b)アミノ酸のα位に平面4角酸を組み込んだα-アミノスクアリン酸の合成 スクアリン酸をアミノ酸類に導入できれば、スクアリル基の強力な水素供与性をはじめとする諸特性をもつ類例のないアミノ酸類が開発できる。本年度は、14種の各種α-アミノスクアリン酸を合成し、それらのうち、α-スクアリルグリシン及びチロシンの生理活性ペプチドへの導入にも成功した。 (c)神経シナプスにおけるグルタミン酸のトランスポーター遮断分子の開発 グルタミン酸のトランスポート機構は神経細胞死とも密接に関連している。そこで、光学活性α-アシロキシシランを合成ブロックとして用い、類例のないプロリンをアシロキシ基としてもつエノラートクライゼン転位により、芳香環をもつβ-置換アスパラギン酸誘導体を合成するとともに海洋産天然物アマサスピラミドFのデブロム体に導き、本法の有効性を示した。
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