2006 Fiscal Year Annual Research Report
多環式含窒素分子骨格構築法の開発と生体機能アルカロイドの合成
Project/Area Number |
16073218
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
青柳 榮 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (30212385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 直毅 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30277264)
阿部 秀樹 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (00328551)
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Keywords | カキドオシ / ヘデラシンA / ヘデラシンB / [3.3]シグマトロピー転位 / エンインメタセシス / アズレノ[5,6-b]フラノン |
Research Abstract |
シソ科植物カキドオシGlechoma hederacea L.から単離された特異な1-azatricyclo-[6.2.1.0^<2、6>]undecane骨格を有するヘデラシンA及びBの全合成を意図して検討し、当該年度においては以下の結果を得た。 2-メチル-1,3-シクロペンタンジオンより出発し、シクロペンタン環上の隣接する四級炭素の立体選択的構築を経て(1,2-ジメチル-2-ビニルシクロペンチル)酢酸メチルを合成した。さらにこのビニルシクロペシタン誘導体より末端アルキン炭素上にメトキシカルボニル基が置換したエンイン誘導体に導き、ルテニウムカルベン錯体による閉環メタセシス反応を検討したところ、4-アルコキシ置換3a,8a-ジメチルアズレンを収率良く与えることを見いだした。これらの結果を踏まえ、次に4-アミノ置換3a,8a-ジメチルアズレン骨格の合成を検討するため、先のビニルシクロペンタン誘導体より導いたアリルカルバメートの脱水反応を行ったところ、反応系内に生成するシアナートの[3.3]シグマトロピー転位反応が首尾よく進行し、所望の立体配置を有するイソシアナートを立体選択的に得ることができた。次いでアルコリシスによるアリルアミン誘導体への変換を経てエンイン誘導体に導き、閉環メタセシスによるアズレン骨格の構築の後、α,β-不飽和エステル側鎖の1,4-還元、次いで四酸化オスミウム酸化、塩化チオニルによる脱水反応を経てフラノン環構築を行い、ヘデラシンA及びB全合成のための足掛かりとなる官能基を全て備えた5-アミノ置換アズレノ[5,6-b]フラノン鍵中間体の合成法を確立した。
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