2007 Fiscal Year Annual Research Report
多環式含窒素分子骨格構築法の開発と生体機能アルカロイドの合成
Project/Area Number |
16073218
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
青柳 榮 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 准教授 (30212385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 直毅 いわき明星大学, 薬学部, 准教授 (30277264)
阿部 秀樹 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (00328551)
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Keywords | マダンガミンA / N.O-アセタール化 / アザビシクロ[3.3.1]ノナン / セイヨウカキドオシ / 抗腫瘍性アルカロイド / ヘデラシンA及びB / オクタヒドロアズレノ[5.6-b]フラノン |
Research Abstract |
海綿由来の融合アザ五環式アルカロイドであるマダンガミンAの全合成研究については、当該年度においてはABCE環の構築を目指し、C-6位及びC-8位にそれぞれB環及びE環構築の足掛かりとなる酸素官能基を組み入れたアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体の合成について検討した。その結果、4-シロキシシクロヘキサノン誘導体のα位への位置選択的な酸素官能基の導入を経てトリ置換シクロヘキサノンを合成し、さらにアミノフェノール誘導体に導いた後、環状N,O-アセタール化を行うことによりマダンガミン類のABCE環構築に必要な全ての官能基が備わった6,8-ジ置換アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体の合成に成功した。 シソ科植物セイヨウカキドオシより単離された抗腫瘍性アルカロイドであるヘデラシンA及びBの合成研究については、5-アミノ置換アズレノ[5,6-b]フラノン中間体を経由し、C-5位アミノ基とC-12位間の渡環反応によるトロパン環形成を検討した。すなわち、フラノン環をシロキシフラン誘導体に変換し、穏和な酸化反応を適用することによりC-12位酸化生成物に導き、続いて酸処理すると、脱保護と同時に渡環反応が進行し、所望のヘデラシン骨格を有するヘミアミナール誘導体への変換に成功した。しかし、C-9位へのアミノ基導入によるヘデラシンAへの誘導は困難であったことから、トロパン環構築の前段階においてアミノ基を導入する経路についても検討した。その結果、9-オキソオクタヒドロアズレン中間体よりオキシムを経由する2段階のアミノ化を検討することによりC-9位へのアミノ基導入に成功し、さらに数工程を経てヘデラシンA及びBへの誘導が期待できる5,9-ジアミノ置換オクタヒドロアズレノ[5,6-b]フラノンの合成法を確立することができた。
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Research Products
(3 results)