2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16073219
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
林 雄二郎 東京理科大学, 工学部, 助教授 (00198863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 満 東京理科大学, 工学部, 助手 (30339139)
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Keywords | オバリシン / α-アミノオキシ化 / 全合成 / 不斉触媒反応 / 天然物 |
Research Abstract |
ovalicinは連続する6つの不斉点を有し、そのうちの4つはシクロヘキサン環上にあるという合成が困難な化合物である。すでにいくつかのグループにより全合成が達成されているが、大量合成、誘導体合成に向いた効率的な合成は少ない。不斉点をいかに効率的に構築し、少ないステップで合成を行うことができるかが問題となる。我々は既に触媒量のプロリン存在下、アルデヒドにニトロソベンゼンを作用させるとアルデヒドのα位に立体選択的にアミノオキシ基が導入できることを見いだしている。この方法を1,4-シクロヘキサンジオン モノエチレンアセタールに適用したところ、この場合にも不斉触媒α-アミノオキシ化が進行し、ほぼ光学的に純粋なα-アミノオキシ化されたケトンが得られることを見いだした。この化合物から窒素-酸素結合を還元的に切断し、α-ヒドロキシシクロヘキサノン誘導体に導いた。水酸基を足がかりとし、ケトンを立体選択的にエポキシドに誘導した。2級水酸基を酸化し、アセタールを開環させ、置換シクロヘキセノンに導いた。エポキシドの立体を利用した、側鎖の導入を行い、オレフィン部位のダブルエポキシ化反応を見いだし、その後、数段階の官能基変換反応を経て、ovalicinの不斉全合成を行った。本合成法はシクロヘキセノン誘導体のα-アミノオキシ化反応を鍵反応とし、この反応で構築される不斉点を足がかりにいて、すべての立体を制御するという合成方法であり、ovalicinの効率的な合成法である。今後各種誘導体を合成し、天然物を凌駕する活性を有する人工物の創成を試みる予定である
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Research Products
(1 results)