2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16073220
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竜田 邦明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40051627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 誠二郎 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (10307712)
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Keywords | 生理活性物質 / ナノバイオサイエンス / 構造-活性相関 / 天然物 / 全合成 / 抗生物質 / 有機工業化学 / 医薬品 |
Research Abstract |
本研究は、まず、有用な天然生理活性物質の全合成を新しい合成法と戦略を展開して完成する。続いて、その手法を効果的に応用することによって種々の構造ユニットを合成し、構造-活性相関研究から活性発現機構を明らかにする。つぎに、特徴ある活性を構造ユニットごとに分離あるいは増強し、副作用の少ない新薬のリード化合物を創製し工業的合成法も開発することを目的とした。この過程において新しい活性の発見と展開も期待できる。 研究対象物質は、多様な生理活性や絶対構造が未決定のために展開が遅れているが、新規医薬品としての開発が期待されている9種類の天然物であるが、今年度の所期の目標を達成した。 1)抗菌活性とエストロゲン拮抗作用を有する非ステロイド系のナピラジオマイシン類の初の全合成を完成させて一般的合成法を確立した。2)抗菌活性、免疫抑制作用、骨吸収阻害活性を有するルミナシン類の初の全合成を完成して絶対構造を決定した。さらに、構造ユニットを合成し構造-活性相関研究により新しい活性を示す構造ユニットを見いだした。3)制がん作用と抗菌活性を示すコクレアマイシン類の初の全合成も完成した。4)養殖魚の敗血症に有効で抗菌活性を有するテトロデカマイシン類の全合成に必要な新規合成法を開発すると同時に構造ユニットの合成を行った。5)中枢神経に関与するGABAの拮抗物質であり、抗菌活性を示すゼノブレン類の全合成に必要な構造ユニットの合成を行った。6)制がん作用と抗HIV活性を示すエシュバイレノール類の初の全合成を完成させた。7)制がん作用と免疫抑制作用を有するリンホスチンの全合成研究と構造ユニットの合成を行った。8)制がん作用を有するBE-54238Bの全合成研究を既に完成したナナオマイシン類などのエナンチオジバージェント合成法を活用して行った。9)制がん作用を有するトリコスタチン類の全合成研究を行った。
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