2004 Fiscal Year Annual Research Report
アザ電子環状反応を基盤とする実践的アルカロイド構築法の開発
Project/Area Number |
16073222
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
勝村 成雄 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70047364)
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Keywords | 多置換ピペリジン / ワンポット3成分連結反応 / 立体選択的合成 / 不斉アザ電子環状反応 / 回転選択性 / デンドロプリミン / 不斉合成 / インドリチジンアルカロイド |
Research Abstract |
多置換シクロヘキサンが多様な天然有機分子の単位構造であると同様に、多置換ピペリジンは、インドールを含む多様なアルカロイドの単位構造と位置づけられる。しかし、立体化学を制御した効率よい合成法は確立されていると言えない。申請者らは、加水分解酵素阻害機構解明から学んだ素早いアザ電子環状反応を基盤として、不斉転写基として働くキラル窒素供給源を開発し、軌道の回転選択性を実現することにより高選択的不斉アザ電子環状反応を実現している。これは、アザトリエンを段階的に形成させた後、キラルアミンと反応させたものである。このような背景の下、本年度は以下の、3項目について成果をあげることができた。(1)ワンポット反応による立体選択的2,4,6-置換ペリジン不斉合成の実現:鎖状オレフィンおよび様々な複素環を持っビニルメタル、アルデヒド基を持つビニルヨウ素化合物、キラル窒素供給源の三者を「混ぜて加熱する」だけの操作により、2ヶ所での立体化学を制御しながら4ヶ所での結合形成に成功した。ここで複素環として、ベンゼン、チオフェン、キノリン、2位置換インドール、3位置換インドール化合物で実現させた。(2)ピペリジン2,4,6位での立体制御:不飽和エステルが存在する4位において、また、アミノアセタールを形成している6位において、前者は2種類の還元反応により、後者はアルキル化剤の選択により各々立体制御に成功した。(3)これらの結果を基にして、2,4,6-置換ピペリジンを基本骨格とするインドリチジンアルカロイド、デンドロプリミンの不斉合成を達成した。さらに、5-および7-エピデンドロプリミンの立体選択的不斉合成も実現することができた。今後、アルカロイド合成における新規合成戦略へと展開したい。
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Research Products
(9 results)