2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物代謝産物由来の機能性天然分子の探索・創製と応用研究
Project/Area Number |
16073223
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
掛谷 秀昭 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 副主任研究員 (00270596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 信元 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (90221689)
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Keywords | 微生物代謝産物 / 機能性天然分子 / 天然有機化合物 / 血管新生 / 細胞周期 / 細胞死 / 構造解析 / ケミカルバイオロジー / ケミカルゲノミクス |
Research Abstract |
真核細胞において生命現象の中軸を担う血管新生、細胞死、細胞周期の素過程には未解明な部分が多く、これらを制御する新規天然有機化合物の探索・創製・応用研究の意義は大きい。本年度は、主として昨年度に確立した評価系を利用して微生物代謝産物を探索源として探索研究を行うとともに、複数の生理活性小分子に関する詳細な作用機構解析、化学生物学的解析を行った。 1)糸状菌が生産するユニークなC2対称中心を有する新規血管新生阻害剤epoxytwinol Aの推定生合成機構(2H-ピラン化合物の分子間[4+4]環化反応機構)を計算化学的手法により検討するとともに、生合成中間体等の検出検討等を行った。 2)IL-1β(インターロイキン1β)変換酵素(ICE)阻害剤は、慢性関節リウマチなどに代表される炎症性サイトカインに関する疾病の治療薬等として有用である。ICE阻害剤EI-1941-1類縁化合物の培養細胞レベルでの活性評価を行い、興味深い構造活性相関の知見を得、さらに、有望な新規化合物ent-EI-1941-2を見出した。 3)新規アポトーシス誘導剤ETB(epolactaene tertiary butyl ester)がその結合蛋白質Hsp60に与える影響を詳細に検討した。その結果、ETBはHsp60の442番目のシステイン残基(Cys442)を介して結合し、分子シャペロン活性を抑制することを明らかにした。さらに、Hsp60のCys442は、大腸菌GroELとのホモロジーモデリングの結果、ATP結合部位近傍に位置することが示唆され、ETBがHsp60のATPase活性および多量体化に影響を与えることが示唆された。
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Research Products
(6 results)