2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16074202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐多 教子 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20271984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 史匡 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (00361113)
長尾 祐樹 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (20431520)
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Keywords | 人工格子 / プロトン導電体 / パルスレーザデポジション / 燃料電池 / ドーパント / 薄膜 |
Research Abstract |
パルスレーザデポジション(PLD)法を用いて作製した,単結晶基板上にSrZrO_3(SZO)とY_2O_3を交互に交互に積層した非常に平坦な界面を有するSrZrO_3/Y_2O_3人工格子を作製し,人工格子の結晶構造および電子構造を調べ,プロトン導電性についての考察を行った. 人工格子断面の高分解能電子顕微鏡像(HREM)から,基板界面付近では格子の乱れが存在するが,人工格子の成長と共に結晶性が向上し,平坦なY_2O_3層の界面が形成され,Y_2O_3層には原子配列の乱れなど,SZO層との構造的な違いは観測されなかった.XRD解析により求めたas-depositedの人工格子の基板面内方向の格子定数はバルク結晶の格子定数(約4.10Å)と比較するとバルクよりもかなり格子定数が小さく格子が歪んでいる.600℃,空気中で数十時間アニールするとこの歪は緩和され,バルク結晶の格子に近い状態になることがわかった. 電子構造の観点からプロトン導電性について考察を行うため,Zr 4dのXPSスペクトル,およびO1s-XASスペクトルの観察を行った.その結果,Zrの価数はどの試料においても4価であることが確かめられ,バンドギャップ内ではSZO, SZY(5mol% Y-doped)薄膜ではバルク結晶と同様に,ドーパントの添加によってバンドギャップ付近にホール(〜525.5eV)とアクセプター準位(〜527eV)が観測されるが,人工格子ではこれらの構造がなく,バルク結晶と異なることがわかった.また,プロトン導電率,活性化エネルギーが大きく異なる人工格子でも電子構造の違いは観測されず,人工格子ではバルク結晶とは異なる機構でプロトン伝導が生じていることを示唆している.
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Research Products
(4 results)