2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16074204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野井 慶徳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (20342636)
久米 晶子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (30431894)
米澤 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90284538)
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Keywords | 表面・界面物性 / ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / 量子細線 / 分子機械 |
Research Abstract |
金属錯体分子を界面に次元制御配列することによって、内部ポテンシャル分布が外場制御できる電子機能空間をつくり、その中で特異な現象を発現させ、その機構解明を行うことを目的とした。成果として、金電極にテルピリジンジスルフィド誘導体(tpy-AB-S)_2(1)を固定化し、適切な条件下で金属イオンの水溶液および二方向および三方向架橋ポリ(テルピリジン)配位子(tpy-L-tpy(2,3)およびL(tpy)_3(4))の溶液に交互に浸漬させることにより、金属錯体の一次元鎖状および分岐形樹状錯体オリゴマーが定量的に作製できることを、サイクリックボルタンメトリー、UV-VIS吸収スペクトル、STMおよびSEMなどの結果より明らかにした。 上記のようにして作製した一次元および樹状錯体分子鎖からなる電極薄膜内の電子移動をクロノアンペロメトリーで解析した。従来の拡散型の電子移動ではなく、一次元分子鎖内のレドックス伝導として、電極と一層目の電子移動速度定数をk_1(s^<-1>)、錯体間の自己交換反応速度定数をk_2(molcm^<-2>s^<-1>)として順次電子が鎖内をホッピングする子移動メカニズム(Fig.3)で考えると、実験値をシミュレーションできることを示し、その電解質濃度依存性や電場効果についても明らかにした。これは、レドックスポリマー被覆電極のレドックス伝導を、分子鎖内電子移動で解析した初めての例である。 そのほかに、Co-Ru錯体やアントラキノン架橋錯体ワイヤの界面配位合成、単一緑色光源と電気刺激で可逆な構造変換をするフェロセニルアゾベンゼン単分子膜の作製、Fc-Aq共役錯体(1,4-Fc_2Aq)のゲスト刺激による可逆的単結晶構造変換とプロトン刺激による構造変換、記憶の深さを調節できるフォトクロミック錯体-フェロセニルスピロピランの合成と物性解析、電子コミュニケーションを光制御するビス(フェロセニルエチニル)エテンの合成と物性解析、などを行なった。
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Research Products
(45 results)