2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体反応場構築による金属蛋白質の創造的構造・機能解明
Project/Area Number |
16074208
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 芳人 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10201245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 洋 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00283151)
上野 隆史 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (70332179)
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Keywords | ミオグロビン / 有機金属酵素 / フェリチン / 還元反応 |
Research Abstract |
本申請課題は、蛋白質やその複合体が形成する空間を生体反応場として捉え、様々な反応を触媒する金属錯体や有機金属化合物を希望する位置に挿入し、活性中心周辺アミノ酸残基を適切に設計することによって、人工金属酵素を構築することを目指している。本年度は、ヘム蛋白質のアポ体に合成金属錯体を導入した金属錯体酵素の分子設計として、金属配位子となるヒスチジン(His)やアスパラギン酸の様々な組合せを有するミュータントを作成し、現在、銅イオンの導入を検討している。 一方、フェリチンの内部空間を化学反応場とする金属クラスター酵素の創成については、今年度は、フェリチン内部へのPd^<2+>およびRh^<3+>イオンの取込みについて検討した。フェリチンに結合している金属の定量を行った。フェリチンへのPd^<2+>取込み量は、アポフェリチンあたり470個となり、Rh^<3+>の場合の14個に比べ、約30倍となった。側鎖にカルボキシル基を持つアミノ酸で形成される大きさ4Åの親水チャネルを通ってフェリチン内部に取込まれる。従って、チャネル通過時にCOO^-による金属イオンの配位子交換が円滑に進むPd^<2+>の方が、Rh^<3+>に比べてフェリチン内部に取込まれやすいと考えられる。これらの結果より金属イオンの配位子交換速度が、フェリチン内部への金属イオン取込み量に影響することが明らかとなった。現在他の金属についても検討中である。同時に、イオンチャネルを構成するアミノ酸の一部を他のアミノ酸へと変換し、金属イオンの取り込み能を制御する試みを開始した。
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Research Products
(4 results)