2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16074209
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 工学研究科, 教授 (20140303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 正昭 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00284480)
張 浩徹 京都大学, 工学研究科, 助手 (60335198)
植村 卓史 京都大学, 工学研究科, 助手 (50346079)
稲垣 伸二 豊田中央研究所, フロンティア研究部門第7グループ, グループリーダー (30374086)
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Keywords | 多孔性多孔性配位高分子 / 分子配列 / 高分子合成 / 磁性誘電癒合 / 触媒能 / 入子構造 / 直接観測 / 動的骨格 |
Research Abstract |
大気中から、純粋な窒素、酸素、アルゴン等のガス分子を得ることや、二酸化炭素や窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)などの環境汚染物質を除去することは、産業的及び環境問題において重要な課題である。しかしながら、大気中のガス分子のサイズは非常に似通ったものが多く、現在でもガス分子の分離を効率的に行うことは非常に難しい。例えば、代表的なガス分子の窒素、酸素、二酸化炭素の分子サイズほ、それぞれ0.36nm、0.34nm、0.33nmであり、そのサイズの違いは100分の1nm単位の違いしかなく、ふるいにかけて分離することが非常に難しいことは想像に難くない。 本研究では、二重入子構造をしたナノメートルサイズの細孔物質を合成し、その内部に含まれるイオンを交換することにより、ナノメートルのさらに100分の1単位(つまり1000億分の1メートルの単位)で細孔の大きさを制御することに成功した。これにより様々なガス(窒素、酸素、CO2など)を効率的に分離する可能性がしめされた。 {[Ni(bpe)2(N(CN)2)](N(CN)2)(5H20))n(1)は二重入子構造をしたナノ細孔物質であり、大きさの異なった2種類の細孔を内部に有する。2つの細孔のうち一方をガス分子を取り入れるための空間とし、もう一方を様々なイオンを入れる空間として使い分け、アジドイオンとのアニオン交換を行うと、二重の入子構造をずらし、イオンが入っていないガス分子を取り込むための細孔の大きさも変化させることができた。イオンの大きさはガス分子と同様に非常に小さな大きさの物質であるから、そのイオンを交換することにより、ナノ細孔の大きさをまさに100分の1nm単位で変化させることができた。これにより、ガスや有害物質の分離に関する次世代の先端機能材料への一つの道が開けたと考えられる。
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Research Products
(6 results)