2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16075202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
廣瀬 敬 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50270921)
村上 元彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 21COE助手 (50401542)
大石 泰生 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門I, 主幹研究員 (20344400)
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Keywords | 岩石・鉱物・鉱床学 / 固体地球物理学 / 地殻・マントル物質 / 地球惑星内部構造 / 水循環 |
Research Abstract |
本研究は、滞留するスラブ内の諸過程とスラブと下部マントルとの化学的相互作用を解明することにより、スタグナントスラブの多様性、滞留したスラブのマントル深部への崩落の原因、崩落するスラブのダイナミクスを解明することを目的にしている。本年度は、(1)下部マントル全体にわたる温度圧力条件において、沈み込むスラブを構成するカンラン岩と玄武岩の高温高圧相平衡実験を行い、これらの物質の相変化の様式を解明した。回収試料の解析準備のために、分析電子顕微鏡を用いて微小部の化学分析と組織観察を行った。このために備品として微小試料を加工するための収束イオンビーム試料作製装置および低角用イオンミリング装置を導入した。(2)崩落するスラブの浮力を明かにするために、核マントル境界にいたる広い圧力領域において、高温高圧X線その場観察実験にもとづきスラブ物質の密度を決定した。さらに、(3)マントル遷移層から核マントル境界に至る条件のもとで揮発性物質の挙動、高圧相転移反応速度とそれへの揮発性物質の影響、マントル遷移層や下部マントル構成鉱物中におけるシリコン、酸素、水素などの元素の拡散過程を解明した。また、(4)揮発性物質の移動と循環を解明するために、含水鉱物(特に含水D相、含水δ相など)の下部マントル深部での安定性を解明し、スラブからの脱水により供給される含水マグマや流体の密度などの諸物性を明らかにした。さらに、(5)高温高圧物性の情報と地震学的情報と直接対比するために、備品としてファブリーペロー干渉計を導入し、高圧下でのブリュアン散乱法による高圧下での高圧鉱物の弾性的性質の測定に着手した。
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