2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16075204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上嶋 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70242154)
清水 久芳 東京大学, 地震研究所, 助手 (70302619)
小山 崇夫 東京大学, 地震研究所, 助手 (00359192)
後藤 忠徳 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90303685)
笠谷 貴史 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90373456)
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Keywords | 地球深部スラブ / 海底電磁気観測 / 電気伝導度 / 海底電磁力計 / 水 / マントル遷移層 / フィリピン海 / 電磁気トモグラフィー |
Research Abstract |
今年度は、海底長期観測設置航海を計画研究ウと共同で実施するとともに、前年度に引き続き既存データのコンパイルと解析を進めた。実績の概要は以下の通りである。 (1)長期型海底電磁力計のフィリピン海への設置と回収 計画研究ウとの協力のもとで10月29日〜11月20日に実施したフィリピン海におけるJAMSTEC「かいれい」航海により、前年度に設置した11台のOBEMを回収し、新たに12台のOBEMをあらかじめ予定した観測点に設置した。 (2)解析手法の開発・改良、新たな応答関数の有効性の検討 本研究者らが世界に先駆けて実用化した電磁気トモグラフィー解析手法では,GDS応答関数と呼ばれる磁場変動の鉛直成分と水平成分の比と、MT応等関数と呼ばれる電位差変動と磁場変動の水平成分の比を用いて地球内部の電気伝導度分布を用いる。今年度は、新たにHTF応等関数と呼ばれる異なる観測点間の水平成分同志の振幅比を導入し、トモグラフィー解析での有効性の検討を行なつた。その結果、不均質構造に対してGDSとは異なる応答が得られるので独立な情報量として用いることができることがわかった。 (3)国内外の既存の電磁気観測データの収集・コンパイル 昨年度に引き続き、すでにデータベース化している海半球観測ネットワークの電磁気長期観測データに加えて,研究対象地域およびその周辺で行われている長期地磁気観測(グアム,ハノイなど)や海底ケーブルデータ(日韓,沖台など),過去に行われた海底観測データなどのコンパイルし、解析を進めた。 (4)太平洋とヨーロッパ下の遷移層内の地震波速度および電気伝導度分布の比較 計画研究イとの協力で、太平洋下およびヨーロッパ下のマントル遷移層の地震波速度構造および電気伝導度構造との比較研究を行い、地中海下に存在するスタグナントスラブは水を含まないことが示唆された。
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