2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16075206
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
入舩 徹男 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (80193704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 徹 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教授 (00291500)
山崎 大輔 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (90346693)
桂 智男 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (40260666)
安東 淳一 広島大学, 大学院理学研究科, 助手 (50291480)
舟越 賢一 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 副主幹研究員 (30344394)
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Keywords | 弾性波速度 / 放射光 / マントル遷移層 / 超高圧実験 / レオロジー |
Research Abstract |
本計画研究の重要な研究設備であるSPring-8のBL04B1において、マルチアンビル装置の周辺環境についてのハード、ソフトの両面の高度化を進め、従来に比べて大幅な実験時間の効率化をおこなった。また、単色化のためのSi二結晶型X線分光器を制作・導入し、サブミクロンオーダーまでの高分解能イメージングや、応力解析実験を可能にした。このような技術改良と、X線その場観察および関連技術開発に基づき、スラブの重要構成物質である海洋地殻物質の弾性波速度を、マントル遷移層条件においておこなった。この結果、少なくともマントル遷移層の上部では、このような海洋地殻物質の弾性波速度が従来の予想よりかなり低いことが明らかになった。 また、主要なマントル鉱物およびその高圧そうであるオリビン、ウオズレアイト、リングウッダイトの電気伝導度の低温から高温にいたる幅広い温度領域で測定した。鉱物中の水の量が増えると電気伝導度は高くなるが、プロトン伝導の活性化エネルギーが低いために、高温で電気伝導度に対する水の寄与は小さくなることが分かった。電気伝導度の絶対値は、高圧鉱物ほど高くなり、その境界では不連続が生じる。これらの結果と上部マントルの1次元電気伝導度プロファイルを比較すると、太平洋下のマントル遷移帯の電気伝導度プロファイルは、無水のウオズレアイト、リングウッダイトの伝導度で説明できることがわかった。 これらの研究以外に、MgSiO_3ポストペロブスカイトのアナログ物質を用いた変形実験や、Mg_2GeO_4および蛇紋石を用いた変形実験がおこなわれ、それぞれ高圧下でのスラブのマントル深部条件下でのレオロジーに関連する重要な実験データが得られた。また、蛇紋石の脱水分解反応のカイネティックスに関するX線その場観察実験もおこなわれ、スラブ中の含水相の脱水過程について検討がすすめられた。
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Research Products
(15 results)