2006 Fiscal Year Annual Research Report
マントル下降流に伴う滞留スラブの形成・崩落過程の数値モデリング
Project/Area Number |
16075207
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉岡 祥一 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20222391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中久喜 供益 広島大学, 大学院理学研究科, 助手 (10263667)
鈴木 厚 九州大学, 大学院理学研究科, 助手 (60284155)
亀山 真典 海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, 研究員 (70344299)
中川 貴司 東京大学, 大学院工学系研究科, 産学官連携研究員 (50396941)
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Keywords | 滞留スラブ / 数値シミュレーション / クラペイロン勾配 / 粘性率 / マントル対流 |
Research Abstract |
部分3次元対流基礎プログラムの開発(箱型) CIP(0)法を用いた輸送方程式ソルバのコーディングを行った。これにより、物質(鉱物種・沈み込む「海洋」プレートと沈み込まない「大陸」プレートなど)の違いをモデルに取り込み、かつこれらの分布が流れの時間発展に伴って時間変化する様子を追跡することを可能にした。このソルバを開発済のマントル対流コードへ組み込み、自発的3次元スラブ沈み込みモデル構築に向けた予備的な数値シミュレーションを実施した。 部分3次元対流基礎プログラムの開発(球殻) プログラムコードの中で最も計算時間のかかる非圧縮流れのストークス方程式の解法の改良を行った。計算領域を分割して内部に人工的な境界を設けて部分問題ごとに並列計算を行い、人工境界データに関する反復によって全体領域の整合性を得る部分構造反復法アルゴリズムが弾性体問題向けに開発されている。この手法を流速と圧力を未知量とするストークス方程式に拡張し、コーディングを行い、有効性を確認した。デカルト座標系を用いているため、球殻領域形状のみならず箱形領域の有限要素分割にも適用することができるメリットもある。 これと並行して、インヤン格子と有限体積法に基づいた数値シミュレーションプログラムを開発し、テスト計算を実施した。 2次元高度スラブ沈み込みモデルの構築 自発的スラブ沈み込みモデルを用いて、粘性ジャンプの沈み込み速度への影響を調べた。また、スタグナントスラブの崩落を再現することにも成功し、スラブと周囲との粘性比により制御されることを示した。海溝後退、上部・下部マントルの粘性コントラスト、クラペイロン勾配、沈み込み角が滞留スラブの形成過程に及ぼす影響を系統的に調査し、現実的なパラメター範囲で滞留スラブが形成されうることを示した.
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Research Products
(6 results)