2007 Fiscal Year Annual Research Report
地震波トモグラフィーによる滞溜スラブの高分解能イメージング
Project/Area Number |
16075208
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
末次 大輔 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (20359178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 良夫 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, センター長 (10022708)
坪井 誠司 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, プログラムディレクター (90183871)
大林 政行 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 主任研究員 (30359179)
竹内 希 東京大学, 地震研究所, 助教 (90313048)
田中 聡 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 主任研究員 (60281961)
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Keywords | スタグナント・スラブ / トモグラフィー / 波形インバージョン / 沈み込み帶 / マントル遷移層 |
Research Abstract |
1.P波トモグラフィー 既存データにフィリピン海のOBS,BBOBSなど海底地震計の波形データから測定したP波時刻データを加えて全マントルトモグラフィーを行った。伊豆・小笠原北部で660km不連続面上に横たわっているスラブが,マリアナ北部では660km不連続面の下で崩落し始めており,さらにマリアナ中部では下部マントルに沈み込んでいる様子を高分解能で捉えることができた。このようなイメージは海底地震計のデータを取り入れてはじめて得ることができたものである。 2.マントル不連続面 フィリピン海のBBOBデータを用いてレシーバー関数解析をおこない,410,660km不連続面の凹凸を求めた。マントル遷移層内にスラブが横たわっているところでは660km不連続面は690-700kmと深いが,その周辺域では660-670kmと全地球平均値に近いことがわかった。これから,スタグナントスラブ内部では300-500度程度周囲よりも低温であることで説明できる。 3.下部マントル反射面 Hinetデータを用いたP波後続波のアレイ解析により,マリアナ下部マントルでの地震波反射面の位置決定を行った。深さは700-950kmに分布し,下部マントルに沈み込むスラブ内部だけでなく,外部にも反射面が存在することが分かった。この反射面はスラブから剥離して沈み込む海洋性地殻である可能性があるが,それを確かめるためには今後反射面の性質をより詳細に推定することが必要である。 4.データセンターでは,フィリピン海広帯域海底地震計と極東ロシア広帯域地震計のデータを管理し,特定領域研究者の利用の便宜を図った。
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Research Products
(13 results)