2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16076201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 理一郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00178518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 秀敏 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10004441)
岩佐 義宏 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20184864)
佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20241565)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 発光分光 / モット絶縁体 / 電荷秩序 / 層状超伝導体 / インターカレーション / 赤外分光 / 電子相分離 |
Research Abstract |
齋藤は、カーボンナノチューブの発光分光と共鳴ラマン分光の強度を計算するプログラムライブラリーを完成した。発光分光と共鳴ラマン分光の強度を螺旋度と直径の関数として求めた。実験と比較することにより、ナノチューブの存在比を知ることができるようになった。電子格子相互作用計算を利用して輸送における非弾性散乱過程の散乱長を定量的に評価した。 福山は、分子性結晶の電子物性、特にπ-d相互作用、関する理論的研究の更なる展開をおこなった。具体的には、フタロシアニンにおける1/4filledπ-電子系の電荷秩序と局在スピンの相互作用に起因する強磁性の可能性を指摘した。 岩佐は、層状超伝導体Li_<0.12>ZrNClの比熱測定を行い、本物質の電子比熱係数は同程度の超伝導臨界温度を有する物質群の中で最も小さいことを明らかにした。また、Li濃度xを変化させた一連の試料の作製に成功し、特に低ドープでは、x=0.05の試料まで連続的にドープできることを示した。さらにx=0.05付近で超伝導絶縁体転移が起こり、転移の直前では超伝導臨界温度が増大するという異常な振る舞いを見せることを明らかにした。 佐々木は、強相関系分子性伝導体のモット1次転移近傍において,マクロな金属-絶縁体電子相分離状態を放射光による走査型局所赤外反射スペクトル測定によって実空間画像化した。この相分離はモット1次転移に起因する電子系の過冷却により出現し,1次転移線の湾曲のために温度に対してリエントラントな出現,消失過程を経ることが明らかにした。
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Research Products
(71 results)