2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16076201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 理一郎 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (00178518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 秀敏 東京理科大学, 理学部, 教授 (10004441)
岩佐 義宏 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20184864)
佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20241565)
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Keywords | グラフェン / エッジ状態 / 層状超伝導体 / インターカレーション / モット転移 / 分子性超伝導体 / 単一種分子金属 / ギャップレスフェルミオン |
Research Abstract |
斎藤は、グラフェンのエッジ状態の電子格子相互作用が大きいことを見出し、超伝導転移温度を数値計算した。また、金属ナノチューブのフォノンが電子格子相互作用によってソフト化する(コーン異常)が、このソフト化がナノチューブの螺旋度によることを説明し、この性質はラマン分光の実験によって確認した。佐々木は、モット絶縁体であるBEDT-TTF系有機導体にエックス線を照射した場合、照射による分子欠陥が生じたことに起因して結晶内の電荷移動が変調され、実効的にモット絶縁体にキャリアがドープされることを見出した.このエックズ線照射効果により、室温での電気抵抗は40%程度、低温では3桁以上も小さくなることを確認した.岩佐は、層状超伝導体(LixZrNXl、LixHfNCl)の窒素原子同位体効果、ラマン散乱スペクトルのキャリヤ数依存性の測定から、本系における電子格子相互作用が非常に弱いことを示した。また、光反射スペクトルの系統的測定から、Zr系よりHf系のほうが状態密度が大きいことを示し、これがHf系の相対的に高いTcの原因であるごとを示唆した。福山は分子性結晶αET_2I_3で実現しているmassless Dirac電子の弱磁場におけるホール係数を詳細に調べ、低温で観測されている「奇妙な符号変化」がわずかなキャリアードーピングによる可能性および軌道磁性の測定がこのことを確認する適切な方法であることを指摘。同様な(しかし強いスピン・軌道相互作用にため異なる)状況にあるビスマス結晶におけるホール係数についても詳細に調べ明確な予言を試みた。さらに、広い観点から「p-d系」の面白さ・重要さを指摘した。
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Research Products
(50 results)