2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16076204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧川 仁 東京大学, 物性研究所, 教授 (10179575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 祐司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50199816)
高木 英典 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40187935)
山田 和芳 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (70133923)
門野 良典 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10194870)
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Keywords | 高温超伝導体 / パイロクロア酸化物 / 重電子超伝道体 / ミュオンスピン共鳴 / 中性子錯乱 |
Research Abstract |
研究成果:(1)高温超伝導銅酸化物において、ホール型銅酸化物に導入されたNi不純物が磁気相関を増強することを中性子散乱実験から明らかにした。さらに誘起された3次元磁気秩序のホール濃度依存性からホール型と電子型の隠れた磁気相図の対称性を見いだした。一方、電子型超伝導体の磁気励起スペクトルを広いエネルギー範囲で測定することに初めて成功した。またチェッカーボード型の電荷秩序について、超伝導との共存・背景に存在する一次元的な電荷グラス状態を見出した。 (2)パイロクロア型オスミウム酸化物超伝導体において、カリウム・サイトの核磁気緩和率が過減衰の格子振動によって引き起こされていることを見出した。これは金属的化合物では初めての現象で、ラットリングと呼ばれる格子振動の特異性が明らかになった。 (3)Caをインターカレートしたグラファイト(CaC_6)において、8GPaの圧力下で転移温度Tcが15.1Kまで上昇すること、さらに高い圧力では構造が不安定となり、3K程度の低い転移温度の相に一次転移することを発見した。 (4)圧力により非フェルミ流体からフェルミ流体へ連続的に電子状態が変化する2次元重い電子系CeRIn_5(R=Co,Rh,Ir)における電気抵抗、ホール係数、磁気抵抗、ネルンスト効果などの輸送係数の測定から、非フェルミ流体の領域では高温超伝導体同一の温度と磁場依存性を示すことを見出し、量子臨界点に近い非フェルミ流体の輸送現象の普遍的振る舞いを明らかにした。 実験装置の開発:(1)前年度に購入した大出力高周波増幅器からの高周波電力を試料に印加するための専用試料プローブの開発を行なった。これらを用いて2分の_<II>パルススピン制御による高横磁場μSR実験を行ない、最高200MHzで超伝導状態におけるMgB_2中の横磁場回転スペクトルの観測に成功し、パルス状ミュオンビームで得られたものとしては世界最高の時間分解能を達成した。 (1)三軸型中性子分光器のアップグレードを行い、大幅なS/N比の改善に成功した。また、スーパーミラー集光な呼び実験を行ない、中性子ビームの高輝度化と新しい中性子分光法の手がかりが得られた。
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