2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物超構造形成による非自明なスピン構造の創製と異常磁気伝導
Project/Area Number |
16076205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
HWANG H.Y. 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (30361611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 雅司 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90211862)
十倉 好紀 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (30143382)
永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (60164406)
寺倉 清之 北陸先端科学技術大学院大学, 特別招聘教授 (40028212)
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Keywords | 強相関電子系 / 表面・界面 / 磁性 / 低温物性 |
Research Abstract |
実験においては、磁気秩序が物質の界面においてその電子物性に与える影響、特異な磁気構造(螺旋構造など)と電気分極との秩序変数の結合についての研究を行った。まず、界面状態については強相関電子系のマンガン酸化物と従来型半導体のチタン酸化物との接合を用いその電流-電圧特性が外部磁場に非常に敏感に依存することを見出し、解析を進めたところ障壁高さが外部磁場によって大きく変化していることを見出した。また、非共線的な磁気秩序が形成されたときに誘起されると予想される電気分極について、実験的に磁気秩序と電気分極の相互制御に初めて成功した。具体的には、冷却過程において電場を印加し電気分極方向を反転させ、螺旋磁気構造のスピンの回転方向、つまり時計回りか反時計回りかを制御した。また、磁化と電気分極が同時に発現するコニカル磁気構造に磁場を印加し、磁化が反転するのに伴って電気分極も同時に反転することを発見した。理論においては、モデル計算及び第一原理計算を用いて異常磁気状態の研究を行った。前述の非線形的な磁気秩序と電気分極の結合ダイナミクスをスピン軌道相互作用を介して検討し新たな励起モードを見出し、電場によるスピン波励起現象を観察するという新たな実験手法を提唱した。さらに、古くから議論されてきた強磁性体の異常ホール効果について、その大きさが伝導機構によって異なる関数で記述されることを導きだし実験と非常に良く一致することを示した。
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