2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16076207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮野 健次郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90167677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40201991)
田中 耕一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90212034)
有馬 孝尚 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90232066)
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Keywords | 光誘起相転移 / 金属・絶縁体転移 / 電気磁気効果 / 非相反的方向二色性 / 局所的対象性の破れ / 量子常誘電体 / テラヘルツ / 光スイッチング |
Research Abstract |
超高速現象:明瞭な金属・絶縁体転移を起すマンガン酸化物薄膜試料の作製に成功し、格子の歪による薄膜に特徴的な電荷・軌道秩序状態を見出した。この秩序状態を光励起することによって、超高速の電子状態の異方性の変化、反強磁性秩序からの強磁性の発現などを観察し、パルスレーザーとCWレーザーによる金属・絶縁体転移の双方向全光制御に成功した。また、有機分子性半導体において、超高速光スイッチング現象の探索を進めた。アルカリTCNQ結晶において、フェムト秒パルス励起によるスピンパイエルス相の融解(光誘起逆スピンパイエルス転移)を見出した。この転移に伴って、二量体化分子変位の融解に対応する複数のコヒーレント振動が生じ、二つのフェムト秒パルスの間隔を制御することによって、このコヒーレント振動の振幅を制御することに成功した。 電気磁気効果:自発電気分極を有するフェリ磁性生体GaFeO_3において近赤外から可視光領域の非相反的方向二色性を観測しまた、X線磁気散乱がFe K吸収端付近で共鳴増大を示すことを発見した。このスペクトル形状と反射指数に対する依存性は、X線領域における一次の電気磁気効果が寄与していることを示唆していた。このX線領域における電気磁気効果は、自発電気分極は持たないが、磁性イオンサイトの局所的対称性には反転心がないような物質についても観測できることを、スピネル構造を持ついくつかの物質で実証した。 量子常誘電体:量子常誘電体SrTiO_3にCaドープおよび酸素同位体置換して強誘電性を発現する単結晶試料を作製した。紫外線励起により、巨大誘電応答と強誘電転移温度の減少が観測され、どちらも光キャリアによる誘電遮蔽による効果と考えられる。 THz:0.1-3THzの周波数帯をカバーし、単結晶のみならず粉末試料、液体試料においても分析を容易にするテラヘルツ時間領域全反射分光装置の開発に成功した。
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Research Products
(23 results)