2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16076213
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寺崎 一郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30227508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (00272386)
上原 政智 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (60323929)
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Keywords | 強相関系 / 磁性 / 電気伝導 |
Research Abstract |
本年度の研究成果を以下に列挙する。 (1)高い熱電特性を示す層状コバルト酸化物の2つの新物質単結晶Pb-Sr-Co-OおよびSr-Co-Oの合成に成功し,その熱電特性を調べ,ミスフィット比と熱起電力,抵抗率,ホール効果に強い相関があることを見出した。この結果を基にして層状コバルト酸化物のソステマティックスを考察した。 (2)デラフォサイト型ロジウム酸化物CuRhO2の電気特性を調べ,Cu層とRhO2層の両方がホールの電気伝導をになう2つのホールバンドを持っていることを明らかにした。 (3)スピネル型MnV2O4において、Vの軌道整列の直接的な証拠を単結晶x線回折によって見出した。 (4)高温超伝導体Bi2212のアンダードープ試料を用いて角度分解光電子分光を行い,超伝導に関係するギャップがキャリア濃度の減少とともに減少するという結果を得た。 (5)ペロブスカイト型RMnO3において,2つの異なる磁性相の共存のダイナミクスを動的比熱法によってとらえ,その緩和時間が元素置換,磁場印加によって変化することを見出した。 (6)遷移金属酸化物薄膜において,電場誘起の不揮発かつ可逆な電気抵抗変化(RRAM)が普遍的に観測されることを見出した (7)異常磁気伝導候補物質Cr3S4型FeCr2S4の単結晶育成を試みた。スピネル相のFeCr2S4単結晶を作成し,その結晶に高圧処理を施す"という方法により1mm弱の結晶を得ることに成功した。 (8)新超伝導物質CdCNi3の諸超伝導定数、電子比熱係数、ウッズ比等を決定した。これらより本物質が強磁性相関を内在する超伝導体であることを指摘した。
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