2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16076213
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寺崎 一郎 Waseda University, 理工学術院, 教授 (30227508)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (00272386)
上原 政智 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60323929)
|
Keywords | 強相関系 / 磁性 / 電気伝導 |
Research Abstract |
本年度の成果を以下に示す。 (1)新規層状コバルト酸化物SrCo6011の合成に成功し,その磁化が強い異方性を持つこと,磁化容易軸であるc軸方向の磁化が2段階でプラトーを持つことを見出した。さらに,磁気抵抗が2段プラトーに応じてプラトーを持ち,2段スピンバルブとして機能することを見出した。 (2)層状コバルト酸化物Bi2Sr2Co06単結晶の物性が,2価と3価のコバルトイオンが自発的に自己組織化し,誘電性を示すドメインと伝導性を示すドメインに分離することを誘電率の測定から明らかにした。 (3)室温で強磁性を示すSr3ErCo4010.5の構造-機能相関を調べ,磁気転移が1次転移であること,軌道秩序を示唆する特徴的な構造相転移を示すことを明らかにした。 (4)スピネル型FeV204多結晶において、直前に印加した磁場の方向によって誘電率が2値をとるスイッチング現象を見出し、これが保磁力の異なる2相の磁化の相対的な向きに由来するというモデルを提案した。 (5)SrTi03にキャリアとスピン(Cr or V)をドープした系について、キャリアースピン間の相互作用を実験的に明らかにした。特にCrをドープした系において、異常ホール効果を観測し、キャリア・スピン濃度や温度によらず、異常ホール係数と正常ホール係数が比例することを見出した。 (6)高温超伝導が期待される梯子型物質La2Ru05のキャリアドープを試みた。La2-xCdxRu05の組成式でCd濃度x=0.5のまでの試料作成に成功した。これはホールキャリアドープに対応する。電気、磁気、熱電能測定により、ドープされたホールは酸素欠損によって打消されていることが示唆され、現在欠損酸素を補うアニール条件を探っている。
|