2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16077201
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾中 敬 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (30143358)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 隆志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (90323500)
上野 宗孝 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (30242019)
山村 一誠 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・赤外サブミリ波天文学系, 准教授 (40322630)
岡本 美子 茨城大学, 理学部, 講師 (10343469)
|
Keywords | 遠・中間赤外線 / 星周円盤 / 星間塵 / 惑星系形成 / 赤外線衛星 / 「あかり」 / 中間赤外サーベイ観測 / 中間赤外線分光器 |
Research Abstract |
(1)「あかり」に搭載された近・中間赤外線カメラ(IRC)及び遠赤外線サーベイヤ(FIS)の初期性能評価を行い、すべての機能が正常に作動していることを確認した。この後2006年5月より、9,18,65,90,140,160ミクロンの6つの波長帯での全天サーベイの観測を開始し、現時点でおおよそ全天の80%を越える領域の観測を終了している。全天サーベイデータ解析のパイプライン処理の開発を現在進めている。特にIRCのデータについては、打ち上げ前の予想を若干上回る検出限界が見積もられている。このうち、初期に観測された、IC4954/4955星雲領域についての解析を進め、3世代にわたり連鎖的に星形成が起きている結果を明らかにした。 (2)IRCのフィルターなどの光学素子の極低温測定を精密に行い、各バンドのスペクトルレスポンスを確立した。このデータを下に、Martin Cohen氏との共同により、赤外線標準星の観測からIRCの軌道上での性能較正を行った。 (3)COMICSを用いた高空間分解能地上中間赤外線観測をT Tauri星あるいはHerbig Ae/Be星などについて行った。30個のT Tauri星の分光スペクトルを取得し、モデルと比較することにより、結晶化ケイ酸塩およびミクロンサイズのダストの相対量を見積もり、星の物理量との相関を調べた。この結果、結晶化度は、星の年齢などとの相関は見られず、T Tarui初期から結晶化ケイ酸塩が存在していることを示めした。ミクロンサイズのダスト量は星の活動度の減少とともに増加し、円盤内のダストの成長を示唆する。またHerbig Ae/Be星であるHD142527については、非対称な原始惑星系円盤を分解し、中心部付近に物質のギャップが存在することを示した。 (4)イメージスライサーを用いた分光器の開発を引き続き行い、次年度の観測を目指し、製作を進めている
|
Research Products
(6 results)