2005 Fiscal Year Annual Research Report
数値シミュレーションによる系外惑星系の形成過程の理論的研究
Project/Area Number |
16077202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井田 茂 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60211736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (00282814)
犬塚 修一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80270453)
小久保 英一郎 国立天文台, 理論天文学研究系, 助手 (90332163)
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Keywords | 系外惑星 / 原始惑星系円盤 / ダスト / 乱流 / 惑星形成 / 数値シュミレーション |
Research Abstract |
惑星系は、星形成の副産物である原始惑星系円盤の中で生まれる。円盤は、98〜99重量%が水素・ヘリウムのガスで構成され、残りが固体成分(ダスト粒子)である。ダストは微惑星へ、微惑星は地球型惑星、ガス惑星のコアへと集積する。コア質量がある値をこえると、その強い重力で円盤ガスをひきつけ、木星のような巨大ガス惑星が形成される。 したがって、円盤内でのダスト密度分布の進化は惑星形成の初期条件を探る上で極めて重要である。研究分担者の犬塚は円盤内の乱流の原因となる磁気流体不安定を左右する、円盤ガス電離率の計算を行ない、従来考えられていたよりも、不安定領域が広いことを示した(論文は米国天文学会誌に発表)。分担者の田中は円盤内でのダスト沈殿・合体過程における乱流の効果を考え、ダストの衝突破壊や、乱流による巻き上げが、ダスト成長を遅らせることを示した。 研究分担者の小久保は、地球型惑星の最終プロセスを様々な円盤条件のもとに計算し、地球型惑星の最終質量、軌道間隔を円盤条件の関数としてもとめた(論文は米国天文学会誌に受理)。研究代表者の井田は、系外惑星の質量・軌道分布が恒星質量によって、どのように変わるのかを予測して観測と比べた(論文は米国天文学会誌に発表)。円盤条件は、Tタウリ星のまわりの原始惑星系円盤の電波観測による質量分布データを用いた。特に低質量星のまわりでの惑星系の予測が、重カレンズによる系外惑星の観測によって支持されはじめてきている。
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Research Products
(6 results)