2006 Fiscal Year Annual Research Report
数値シミュレーションによる系外惑星系の形成過程の理論的研究
Project/Area Number |
16077202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井田 茂 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (60211736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (00282814)
犬塚 修一郎 京都大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (80270453)
小久保 英一郎 国立天文台, 理論天文系, 助教授 (90332163)
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Keywords | 系外惑星 / 原始惑星系円盤 / ダスト / 乱流 / 惑星形成 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
惑星系は、星形成の副産物である原始惑星系円盤の中で生まれる。円盤は重量のうち98〜99%が水素・ヘリウムのガスで構成され、残りは重元素を中心としたダスト粒子である。μmサイズのダストはkmサイズの微惑星へ、微惑星は地球型惑星、ガス惑星のコアへと集積する。コア質量があるしきい値をこえると、その強い重力で周辺の円盤ガスをひきつけ、木星のような巨大ガス惑星が形成される。 したがって、まずは円盤内でダストがどのように合体成長して微惑星になるのかが惑星形成を考えるで極めて重要である。研究分担者の田中はダストの衝突のシミュレーションをスタートさせた。はじめはフラクタル形状をとるが、衝突が進行するにつれて球状になっていくことを示した。研究分担者の犬塚は円盤ガス内でのダスト粒子群の自己重力不安定のN体シミュレーションを行い、層流中での自己重力不安定の進行の様子を明らかにした。 研究分担者の小久保は、火星質量の原始惑星の巨大衝突である地球型惑星の最終プロセスのシミュレーションを行い、最終的に形成される地球型惑星の自転状態を調べ、自転軸の向きはランダムであり、自転軸は横倒しになる確率が高いことを示した(論文は米国惑星科学会学会誌に投稿中)。研究代表者の井田は、円盤との重力相互作用による惑星軌道の内側への移動が系外惑星の質量・軌道分布にどのように影響を与えるのか、また逆に観測データから惑星の内側移動の物理パラメータがどのように制約されるのかを調べた(論文は米国天文学会誌に投稿中)。
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Research Products
(5 results)