2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16077205
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
村上 浩 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 教授 (40135299)
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Keywords | 赤外線天文学 / 赤外惑星系 / 赤外線検出器 / テラヘルツ波 / 大気球搭載望遠鏡 |
Research Abstract |
本科学研究費補助金では将来の太陽系外惑星系の黄道放射(惑星系中の塵の赤外線放射)観測を目指し、赤外線領域中でこれまで検出技術が遅れていた波長30μm帯、及び300μm帯における検出器の開発、及び観測装置の試作を行っている。最終年度に当たり、以下の成果を上げた。 1)ガリウムヒ素(GaAs)半導体を用いた200□ 300ミクロン帯検出器アレイの開発 GaAs結晶の液相エピタキシ装置において、通常の石英製に替えてアルミナセラミックス製反応管を用いる世界的にも新しい試みを本格的に実施。光を検出するドナー不純物に比べてアクセプター不純物をこれまでよりも大きく減らした結晶の試作に成功した。19年度までに実用化した高感度300μm帯検出器を、さらに大きく性能向上させる一歩を踏み出した。 2)大気球搭載望遠鏡の開発 世界に先駆けた300μm帯の観測を目指した大気球搭載望遠鏡は、19年度からの繰り越し経費により望遠鏡主鏡の鏡面評価、ゴンドラの揺れに対して星像を安定化させる機構の開発を完了させ、望遠鏡システムを完成させるとともに、20年度経費により、1)で述べた新規開発検出器のファーストライト、及び大気球高度での観測条件調査を狙った小型観測装置を制作した。これは21年度に飛揚予定である。 3)波長30-40μm帯観測装置の開発 日本で初めての波長30-40μm帯を含む地上用撮像・分光装置MAX38に対して、19年度末から20年度初頭の広島大学「かなた」望遠鏡による試験観測に引き続き、極低温チョッパーの改良を行い、またグリズムによる分光機能を追加することにより、観測装置全体として完成させた。21年度に、チリの高地に設置された東京大学の望遠鏡を用いて、日本初の30μm帯観測に挑む予定である。
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Research Products
(14 results)