2005 Fiscal Year Annual Research Report
周波数領域設計での入力外乱推定オブザーバによるアクチュエータのロバスト制御
Project/Area Number |
16078201
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
白石 昌武 茨城大学, 工学部, 教授 (10091860)
|
Keywords | 周波数領域設計 / 入出力外乱推定オブザーバ / ロバスト制御 / アクチュエータの位置決め / 軸の振れ / ARXモデル |
Research Abstract |
本申請領域が実施しているシンポジウムによれば、新アクチュエータの開発と応用についての需要は極めて高いことがあらためて実感した。しかしいかにアクチュエータそのものが優れていてもそれらが単体で用いられることは無く、システムに組込まれた場合に本来の性能を発揮できなければ意味がない。つまり種々の外乱の影響下でロバストなアクチュエータ制御系をいかに構築するかがカギである。提案した周波数領域でのロバストな入出力外乱推定オブザーバを併合したシステムとして、平成17年度は超精密を目指した三軸位置決め系を対象に、まずそのX軸(一軸)のみに焦点を絞り、その軸の振動制御を実施した。具体的には、実機のX軸先端に小型の加速度センサを装着し、と同時に軸の振動状態を測定するため、高精度レーザ変位センサを用いた。X軸のダイナミクスとしてARXモデルを適用して解析し、実験との比較を行うようにした。その結果このモデルの有効性が確認された。次にX軸について負荷をかけた場合の高速による往復運動を繰り返し、制御なしの状態その軸の振れについて測定した。一方設計したオブザーバが、入力外乱に対しその抑制にどれだけロバスト性を示すかについて、ARXモデルで求められたダイナミクスを用いてシミュレーションを行い、良好な結果を得た。これらの確認を基に、オブザーバ組込みのための若干のハードウエア設計と製作を行って実機に組込んだ。まずオブザーバを併用しない場合について、X軸位置決めによる追従制御を行った。外乱を入れ比較的低速で駆動させた場合には、おおよそ目標に追従していることが確認できた。しかしそれを高速にすると軸の振れが大きくなり、その場合にロバストな入出力外乱推定オブザーバを効かせて駆動すると外乱除去の効果が発揮され、オブザーバ併用の有効性が検証できた。
|