2006 Fiscal Year Annual Research Report
周波数領域設計での入力外乱推定オブザーバによるアクチュエータのロバスト制御
Project/Area Number |
16078201
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
白石 昌武 茨城大学, 工学部, 教授 (10091860)
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Keywords | 周波数領域設計 / 入出力外乱推定オブザーバ / ロバスト制御 / アクチュエータの位置決め / 軸の振れ / ARXモデル |
Research Abstract |
精密を目指した位置決め系についてX軸に焦点を絞り、その振動制御を実機にて遂行するためX軸先端に超小型の加速度センサを装着し、と同時に軸の振動状態を測定するため高精度レーザ変位センサを用いた。まず、X軸のダイナミクスとしてARXモデルを適用して運動解析を行い、実験との比較を行うことにより、ARXモデルの精度追求を行って妥当性を確認した。そのロバスト性を検証するため、軸に負荷をかけた場合の高速往復運動を繰り返し、その結果負荷が特に大きい場合を除いては、ある程度のロバスト性があることを確認した。次に、研究のキーポイントとなる本提案のオブザーバが、入力外乱に対しその抑制にどれだけロバスト推定が可能かについて、ARXモデルを用いてシミュレーションを行い、実験結果との比較を行った。それによるとオブザーバ設計の祭のパラメータを適宜選択することにより、十分なるロバスト性が得られることが分かった。ただ課題としてそのパラメータの設定法が残っている。本提案のオブザーバは制御対象が異なっても、有効でなければ意味がない。そこで脳波信号による三関節型マニピュレータの操作に適用した。オブザーバを併用しない場合と併用した場合について、マニピュレータの角度位置決めによる追従制御性を追求した。この場合マニピュレータを高速駆動すると各関節の慣性力が外乱として作用し、その運動に影響を及ぼすことをこれまでに確認している。そこでロバストな入出力外乱推定オブザーバを組込み、まずシミュレーションによって外乱除去の効果を検証した。それによると、シミュレーション上では良好な結果が得られているが、実機によるテストでは必ずしも満足行く結果とはならなかった。これはやはりマニピュレータ関節間の干渉が影響していると考えられ、今後はこの点を明らかにして研究を進める必要がある。
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