2007 Fiscal Year Annual Research Report
周波数領域設計での入力外乱推定オブザーバによるアクチュエータのロバスト制御
Project/Area Number |
16078201
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
白石 昌武 Ibaraki University, 工学部, 教授 (10091860)
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Keywords | プローブ先端制振 / 部分空間法モデル / 周波数領域オブザーバ / 予見制御 / 制振制御 / ロバスト性 |
Research Abstract |
精密を目指した三次元測定機の位置決めについて、プローブ先端の振動抑制を目的とした。振動制御を実機にて遂行するためプローブ先端に超小型の加速度センサを装着し、同時に軸の振動状態を測定するため高精度レーザ変位センサを用いた。ある程度早い振動特性を示す系の制振制御を想定し、モデル同定からの予測速度と逆位相の動きを、微細駆動により制振効果をもたらす制御法を提案した。一種の予見制御法で、まずオフラインでプローブ先端位置までの振動特性を、離散有理関数モデルによりモデル化した。このモデル化にARX法と部分空間法(4SID)を適用した。特に前年度において、プローブ軸のダイナミクスとしてARXモデルを適用して運動解析を行い、実験との比較を行うことで、ARXモデルの精度追求を行ってある程度の妥当性を得た。しかし今年度さらに検討を重ねた結果、低次元モデルによる同定性能においては、部分空間法が有理であることを確認した。 本手法により得られた低次離散有理関数モデルと、予備実験で得たむだ時間解析結果を基に、制御信号から駆動系の駆動時刻と、その時点におけるプローブ先端位置の速度を推定し、逆位相の駆動量を微細駆動として与えることで制振を試みた(この方法を初期型制約条件付予見制御法と名づけた)。その結果、プローブ先端の制振効果として従来法に比較して振幅換算で14%の低減が得られた。次に研究のキーポイントとなる本提案の周波数領域設計におけるオブザーバが、入力外乱に対しその抑制にどれだけロバスト推定が可能かについて、部分空間法で得られたモデルを用いてシミュレーションを行い、実験結果との比較を行った。その結果、オブザーバ設計の3ステップにおけるパラメータを適宜設定することにより、十分なロバスト性が得られることが分かった。ただ課題としては前年度同様、そのパラメータの設計法(基準)が残っており、今後さらに追及して行く必要がある。
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Research Products
(5 results)