2007 Fiscal Year Annual Research Report
特殊温度環境下で利用できる革新的アクチュエータの開発
Project/Area Number |
16078202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 俊郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (10111569)
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Keywords | 鉄ガリウム合金 / マイクロ磁歪振動子 / 小型球面モータ / 熱駆動型アクチュエータ / 自励振動 / 磁歪材料 / 極低温 / 耐熱性 |
Research Abstract |
本研究では,特殊温度環境下で利用できるアクチュエータの開発を行っている.本年度は特殊温度環境下(-273〜200℃)で使用できる鉄ガリウム合金を用いた幾つかのマイクロアクチュエータの作製を行った。(i)マイクロ磁歪振動子:これは6mmのフリースタンドゾーンメルと法で作製された6mm径の多結晶鉄ガリウムロッドから精密切削で1mm径5mm長のロッドを切り出し,コイルを巻いたもので,ロッドと磁性ヨークの接合はスポット溶接で行った。レーザードップラー速度計での測定結果から,駆動電圧5Vで1.2μmの変位,10kHz以上のバンド幅を持つことが確認され,引っ張り耐荷重1.5kg,小型電源で音響素子として十分利用できることが確認された。また高耐熱性コイルを用いた磁歪アクチュエータの温度特性として-196〜200℃でほぼ同様な変位特性を示し,単純に構成できるマイクロ磁歪アクチュエータが高い耐熱性,広い使用温度幅を持つ可能性が示された。(ii)小型球面モータ:我々は4本の鉄ガリウム合金の伸縮で鉄球を摩擦駆動する小型,頑健かつ低電圧駆動の球面モータを提案し,いくつかの作製により,その性能を評価した。その結果,1mm角10mm長の磁歪ロッドを用いた場合で,回転速度30deg/s,駆動電圧1.6V,2自由度で独立に球を回転できることが確認できた。 バイメタルをもちいた熱駆動型アクチュエータに関しては、振動子,バイメタルの形状,材質をパラメータとした振動挙動を測定し,高温用アクチュエータの可能性を検証した。
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