Research Abstract |
本研究ではミリメートルサイズでパワー密度が高いマイクロアクチュエータの実現を目的とし,機能性流体を用いたニューアクチュエータの具現化を目指す.本年度の成果は以下のとおりである. 高電圧の印加によって活発なジェット流を発生する電界共役流体(ECF)を利用したECFマイクロモータの高出力化を実現した.電圧を印加するための電極形状について検討し,DP-RE形ECFマイクロモータに対して出力パワー密度を6.3W/kgに向上した.これは従来モータの21倍の当たる. 上述のECFを利用して,マイクロ人工筋セルを実現し,集積化による出力向上を確認した.本セルは軸方向に繊維強化されたゴムチューブの内圧をECFジェットより制御するアクチュエータであり,液圧駆動でありながら外部からの給電のみによって駆動できる.直径10mm,高さ12.5mmのセルを4個(2×2)直並列化したECF人工筋を実現した. ノート形PCのCPUなどの電子チップを強制的に液冷するため提案している,ECFを作動流体としたきわめて薄いシンプルな構造の平面ポンプに対し,より低い電圧で高い圧力,流量が得られる電極形状を実験的に検討し,従来ポンプに比べ16倍の出力パワー密度を実現した. 電界印加で見かけの粘度が増大するERF(電気粘性流体)を応用したフレキシブルERマイクロアクチュエータを実現するため,フォトレジストSU-8のカンチレバー形構造体で構成され,柔軟に屈曲できるフレキシブルERマイクロバルブを提案,試作し,その特性を実験的に明らかにするとともに,フレキシブルアクチュエータを構成しその動作を確認した. ERFを高パワーでポンピングするため,マイクロシートバルブを用いた流体慣性ポンプを提案,試作し,その有効性を実験的に確認するとともに,これにERバルブおよびベローズを一体化したアクチュエータを試作し,その動作を実験的に確認した.
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