2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアクチュエータ・アレイによる圧覚とすべり覚の融合呈示
Project/Area Number |
16078207
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大岡 昌博 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50233044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三矢 保永 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (10200065)
宮岡 徹 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (00111815)
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Keywords | マイクロ・アクチュエータ / アレイ / PZT / バイモルフ / 二軸 / 触覚 / 圧覚 / 滑り覚 |
Research Abstract |
本年度も,1)2軸マイクロアクチュエータの改良・開発,3)マスタ・ハンド・マニピュレータシステムの改良・開発,3)心理物理実験による呈示装置の評価法の3方向から研究を行った. まず,マイクロアクチュエータの改良・開発に関しては,前年度新しく考案した「ハの字」形バイモルフPZTアクチュエータの効果を実験的に検証した.検証実験では,まずヒステリシス補償をしない条件で動作特性を調査した.左右のアクチュエータに同位相の電圧を印加すると,移動関節がy軸方向に沿って運動し,逆位相の電圧を印加すると,x軸方向に沿って運動することを確認した.軸からの偏差も5%以内で十分使用できることがわかった. また,PZTアクチュエータが有する非線形性およびヒステリシス特性を補償することを目的に,昨年度開発した多層パーセプトロンによる新しい補償法の改良をすすめた.シミュレーションでは,マイナーループを含くむ電圧履歴を与えても非線形性およびヒステリシス特性をほぼ完全に補償できることを確認した.実機を用いた実証実験では,左右のアクチュエータのヒステリシス特性を多層パーセプトロンに学習させた後に円形経路に沿わせる実験を実施した.円形経路に沿って可動端が運動できることを確認したが,直径に対して20%程度理想軌道から外れることも確認したため次年度で改良を進める. 次に,マスタ・ハンド・マニピュレータシステムに関する研究では,制御システムの構築を主に行い,新しい制御ボードの設計製作を行い将来実施する実験の準備を進めた. さらに,せん断力と圧覚の同時呈示の有効性を検証するため,心理物理実験法を用いて特に表面微小形状認識におけるせん断力呈示の影響について調べた.形状認識においては,せん断方向の刺激がむしろノイズとして作用することを確認したため,呈示における適正な圧覚・滑り覚の強さの割合を今後探っていくことにした.
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