Research Abstract |
本研究は,多自申度を持つメカトロニクス機器用の小型アクチュエータとして,マイクロプロセッサや各種マイクロセンサを実装,集積し,高度な制御機能や通信機能を持つた「インテリジェントアクチュエータ」の設計技術,およびこれらを用いたシステム構築技術の確立を目標としている.(1)小型電磁モータと(2)小型空圧シリンダの2つのアクチュエータを具体的な試作研究対象として進める. (1)については,本年度は,PSoC (programmable system-on-chip)を用いたインテリジェントアクチュエータを設計,構成した.このアクチュエータには,小型DCモータ,減速機,エンコーダ,トルクセンサ,CPU,モータドライバを内蔵し,I2C通信を主に用いた通信系により,アクチュエータ間,および,ホストコンピュータとの通信機能,ローカルな力/位置サーボ、といった機能を実現した.このアクチュエータを30個連結して,形状が自在に変わる多面体リンク機構を構成し,PC内の仮想連続体をあたかも触った感覚で取り扱うことのできるフィジカルマンマシンインタフェイスを実現した.これにより,シンプルな構成でノイズにも強い多自由度メカニズム系のシステム構築が可能となるとともに,配線数が大幅に削減できるようになった. (2)については,多数の空圧アクチュエータからなる機構において,それぞれのアクチュエータに固有の振動数で励起されて動作するバルブを搭載し,圧力供給ラインに動作させたいアクチュエータの励起周波数を空気の振動として重畳することで,特定のアクチュエータを自在に駆動する新しい空圧制御系を考案した.このシステムでは複数の空圧アクチュエータに空圧供給管を連結するだけでよく,システムの大幅な簡略化が行える.本年度は,シミュレーションによりこの可能性を実証するとともに,バルブの試作を行った.
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